国際航業・NECほか2社、ローカル5G等を活用した河川災害対策に関する実証実験を開始

気候変動が引き起こす異常気象等により災害が激甚化・大規模化する中、洪⽔等の災害が発⽣した場合には、対応に当たる関係者間で状況を素早く共有し、避難指⽰や応急復旧などの意思決定を迅速かつ的確に行うことが求められている。

これらの状況に対応するため、ドローンの活⽤による被災地の⾼精細映像の取得や、⽔位低下後の河川周辺の地形画像を活用した三次元地形モデルの作成、⾼精細映像の活⽤による無⼈化施⼯建機の安全かつ迅速な応急復旧など、近年は被災状況の詳細な把握を可能とする技術が開発されている。

一方で、これらの技術を活用するために必要なデータは容量が非常に⼤きくなるため、⾼速⼤容量で低遅延かつ多数同時接続の特⻑を持ち、独⽴したネットワーク網を構築できるローカル5Gの活⽤が期待されている。

国際航業株式会社と日本電気株式会社(以下、NEC)、西尾レントオール株式会社、電気興業株式会社(以下、DKK)の4社は、総務省「課題解決型ローカル5G等の実現に向けた開発実証(特殊な環境における実証事業)」において、ローカル5Gを活用した河川災害におけるリアルタイムな状況把握と安全かつ迅速な応急復旧の実現を目的とした提案を行い、採択された。

同実証では、東京都北区および足立区(荒川下流域)において、河川災害時におけるローカル5G等を活用した情報収集と応急復旧の迅速化に関する技術実証と課題実証の2つの実証を2023年1月下旬から2月中旬まで行う。

技術実証では、河川の特殊な線状地形における電波伝搬モデルの精緻化や中継器を使⽤した柔軟な電波カバーエリアの構築を行い、データ容量の制限や送受信の遅延の少ない安定した通信環境の提供に向けた取り組みを行う。

課題実証では、これらの通信環境のもとで、ドローンによる⾼精細映像のリアルタイム伝送および無⼈化施⼯建機を活⽤した復旧作業の効率化の実現に向けた有効性の評価、課題の抽出、実装に向けた具体的な検討を⾏う。さらに、これらの仕組みを平常時から活⽤するため、河川の巡視や点検、施⼯監理等での実装に向け、船舶上のカメラからのデータ伝送試験を⾏うとしている。

国際航業・NECほか2社、ローカル5G等を活用した河川災害対策に関する実証実験を開始
実験イメージ(災害時対応のイメージ)
同実証における各社の役割は以下の通り。

  • 国際航業
  • プロジェクトの推進・管理、課題実証の総括・検証、ローカル5G端末搭載ドローン、3次元空間解析技術提供

  • NEC
  • 技術実証の総括・検証、ローカル5Gの機器の調達・設計

  • 西尾レントオール
  • 課題実証(無人化施工建機)の検証

  • DKK
  • ローカル5Gを搭載した可搬型機器の調達・設計、中継器(レピータ)の調達、設計

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