ソフトバンク株式会社は、法人向けの5Gマネージドサービス「プライベート5G」の提供を開始した。
プライベート5Gは、企業や自治体などの法人客のさまざまなニーズに合わせて、個別にカスタマイズした5Gネットワークを提供するサービスである。まず、パブリック5Gの設備や電波を利用する「共有型」(以下、プライベート5G(共有型))のサービスを提供する。
プライベート5G(共有型)は、5G SA(※1)の特長であるネットワークスライシング(※2)を活用し、法人客の用途に応じてネットワークのリソースを割り振るとともに、ソフトバンクが提供する閉域接続サービスと連携することで、安全な通信を実現する。これにより、法人客側でネットワークの構築・運用の手間や時間をかけずに、製造業における工場全体の無線化や、遠隔操縦や危険察知ソリューションなどに求められる、アクセス集中時の影響を抑えた通信などが可能になる。
コアネットワークの設備は、東西エリア(東京・大阪)に分散配置して冗長化しているため、機器の故障時などにおいても安定した通信を提供する体制を整えている。
また、ソフトバンクが提供する「SmartVPN」や「OnePort」などの閉域接続サービスと連携することで、法人客の要件に応じた安全かつ柔軟なネットワーク設計が可能となる。さらに、今後法人向けのサービス展開を予定しているMEC(※3)に、法人客が利用するアプリケーションを展開することで、より低遅延で安全なネットワークの構築が可能になり、端末から5Gネットワーク、MECまで一貫したシステムの運用ができるという。
プライベート5Gの対応端末として、シャープ株式会社の5Gモバイルルーター「SH-U01」が提供される。また、今後ソフトバンクは、住友電気工業株式会社(以下、住友電工)とのスマート工場の実現に向けた協業の一環で、住友電工が開発中の産業用5G端末もプライベート5Gの対応端末として取り扱う予定としている。
なお、法人客の敷地内に専用の基地局や設備を設置してプライベートネットワーク環境を提供する「プライベート5G(専有型)」は、2023年度中に提供開始予定とのことだ。
※1 5G SA:スタンドアローン(Stand Alone)方式の5Gの商用ネットワークのこと。
※2 ネットワークスライシング:ネットワークを仮想化してリソースを分割し、用途や目的(高速大容量、低遅延など)に適合したサービスを提供する技術のこと。
※3 MEC:Multi-access Edge Computingの略で、端末から近い位置にデータ処理機能を配備することで、通信の最適化や高速化をすることができる技術のこと。
無料メルマガ会員に登録しませんか?
IoTに関する様々な情報を取材し、皆様にお届けいたします。