企業や自治体等向けにクラウドサービスが増加している近年において、安全、安心な個人情報の取り扱いや情報セキュリティ管理体制の構築/運用が求められている。
凸版印刷株式会社は、ZETA通信(※)に必要なサーバーと、ZETA通信で収集したデータを見える化できるアプリを兼ね備えたプラットフォーム「ZETADRIVE」と、工場における環境データを自動収集し、リスクマネジメントを強化する点検支援サービス「e-Platch」を対象に、クラウドセキュリティの国際標準規格「ISO/IEC27017:2015(以下、ISO27017認証)」を2023年2月17日に取得したことを発表した。
ZETADRIVEは、凸版印刷が2020年7月より提供しているサービスで、IoTに適した長距離無線通信技術(LPWA)を搭載したセンシングデバイスの管理を行うZETAサーバーと、収集したデータの見える化を行うセンサーデータ閲覧システムで構成されており、データの収集、管理から見える化までを一貫したサービスとして提供する。データ取得、機器の制御などのAPIが用意されており、顧客ごとのニーズに合わせたシステムやアプリケーションの連携が可能だ。
一方のe-Platchは、凸版印刷が2023年4月より提供開始する、工場のユーティリティ設備や環境データなどの点検/監視作業を後付け設置で自動化できるサービスである。凸版印刷が推進するLPWA規格ZETAを活用し、複雑な構造を持つ工場をくまなくカバーできるネットワークを構築、既存測定器やアナログメーターの値を遠隔で収集できる。また、点検作業に最適化された見える化により、点検作業の効率化を支援する。
ISO27017認証は、JIS Q 27001:2014(ISO/IEC 27001:2013)認証を前提として、その適用範囲内に含まれるクラウドサービスの提供もしくは利用に関して、ISO/IEC 27017:2015のガイドラインに規定される、クラウドサービスの情報セキュリティ管理体制を満たしている組織を認証する仕組みである。
今回、凸版印刷が提供する両サービスにおいて、情報セキュリティ管理基準が適切に構築/運用されていることが評価された。
※ ZETA通信:超狭帯域(UNB: Ultra Narrow Band)による多チャンネルでの通信、メッシュネットワークによる広域の分散アクセス、双方向での低消費電力通信が可能といった特長を持つ、IoTに適した最新のLPWA(Low Power Wide Area)ネットワーク規格。LPWAの規格のひとつであるZETAは、中継器を多段に経由するマルチホップ形式の通信を行うことで、ほかのLPWAと比べ、基地局の設置を少なくでき、低コストでの運用が可能な方式として注目されている。
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