NTTコミュニケーションズ株式会社(以下、NTT Com)は、5G通信において、Sub6とミリ波を組み合わせて運用する技術である「NR-DC」を用いたローカル5Gにおける通信の高速化と、NR-DCを活用した高精細4K映像の同時伝送を図る実証実験に成功したことを発表した。なお、この実験はサムスン電子ジャパン株式会社の協力のもと実施している。
通常、5Gコアと5G基地局を組み合わせて通信するSA(スタンドアローン)構成のローカル5G環境では、6GHz帯未満の周波数「Sub6」もしくは、30GHzから300GHzの周波数「ミリ波」という電波のどちらか一方を使用して通信を行うが、実証実験では、この2つの周波数を同時に利用することで、より高速な通信を可能にするNR-DCを、ローカル5Gで利用した。
具体的には、Sub6とミリ波という2つの電波を同時に送受信できるローカル5G基地局と、ローカル5G端末(5Gルータ)を用意。それらを正しく接続するため、人材や技術の交流拠点である「ドコモ 5G DX スクエア in 赤坂」に、2つの電波を同時に送受信できるよう設定したサムスンのローカル5G基地局を構築し、ローカル5G端末と接続できるかを検証した。
また、接続により期待される通信速度が出ているか、ユースケースの検証として、高速大容量通信の利点を活かした複数の高精細4K映像の同時伝送が実現できるかを確認する試験を実施した。
その結果、構成における理論値(受信時3.49Gbps、送信時390Mbps)と近い受信時平均3.1Gbps、送信時平均337.3Mbpsの通信速度を確認。ローカル5Gにおいて、NR-DCが利用できていることや、安定して高い通信速度を維持できていることが確認された。
また、NR-DC環境下においては、4K映像3台分の負荷をかけた状態での高精細4K映像の同時伝送についても、映像のカクツキもなく伝送することができたのだという。
今後は、「ドコモ 5G DX スクエア in 赤坂」において、実フィールドでの運用を想定した事前接続検証などを実施するとしている。なお、今回の実証実験で使用した装置は、2023年4月~2024年2月ごろまで設置予定だ。
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