シャープ・KDDI総合研究所ほか産学連携の研究開発が、5G-Advancedの国際標準仕様に採択

シャープ株式会社、株式会社KDDI総合研究所、国立大学法人京都大学、国立大学法人東京大学大学院工学系研究科は、4者の研究開発成果が、3GPPが仕様を規定する全体会合である「3GPP RAN plenary」にて、5G-Advancedの初版として策定されたリリース18の物理レイヤーの標準仕様に、2023年9月15日より採択されたことを発表した。

これは、4者が共同で行った、5G-Advancedの標準採択を目的とした無線リンク技術の研究開発や、移動通信システムの仕様を策定する国際プロジェクトである「3GPP」への研究開発成果に基づいた技術提案、同プロジェクト内での合意形成推進などによるものだ。

5G-Advancedは、5Gの機能を拡張させたもので、より途切れにくく、より大容量な高速・低遅延の送受信が可能になる通信環境の構築や、接続可能エリアの大幅な拡大を目指すものだ。

シャープ・KDDI総合研究所ほか産学連携の研究開発が、5G-Advancedの国際標準仕様に採択
移動通信規格全体における、今回の研究成果の位置付け。

これらにより、メタバースや自動運転、XRなどへの活用が期待され、たとえばメタバースでは、高精細な映像や3Dモデル、ホログラムデータを即座に表示できるようになるため、没入感の向上が見込まれている。

今回の4者による研究は、総務省「戦略的情報通信研究開発推進事業 国際標準獲得型研究開発」事業として実施されたもので、アンテナ技術の拡張によるデータ送受信の容量拡大や低遅延化などの性能向上や、バスなど多人数で利用する乗り物での移動中の安定した送受信、中継機能を持たせた自動車同士のデータリレー伝送による通信エリア拡大の実現可能性などを検証した。

その結果を、3GPPの無線アクセスネットワーク部会で、70件の寄与文書として提案し、30件の技術提案が採択された。

4者は、今後も共同で、5G-Advancedをはじめとする次世代移動通信システムの研究開発を継続し、通信性能向上やエリア拡大だけではなく、通信の進化による、利用領域の拡張にも取り組んでいくとしている。

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