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OKI・東北大学・NEDO、OSSベースの仮想PONで自律的な波長資源の切り替え技術の実証に成功

沖電気工業株式会社(OKI)と国立大学法人東北大学は、NEDOが委託する事業の一環として、必要な通信量をAIで予測して資源を割り当てる「仮想化資源制御技術」を開発した。

「仮想化資源制御技術」は、膨大なアンテナと基地局をつなぐ光通信ケーブルの効率的な運用を、PONスライス制御技術により実現するものだ。

スポーツイベントや交通渋滞などで不定期に人が集中するエリアや、オフィス街や住宅街など時間帯により人が集中するエリアに適用することが想定されている。

OKI・東北大学・NEDO、OSSベースの仮想PONで自律的な波長資源の切り替え技術の実証に成功
PONスライス制御技術の概要図

具体的には、必要なトラフィック量の増減をAIで予測し、その結果からトラフィックのダイナミックな変動に対応してサービスごとのスライスを割り当て、光通信ケーブルに適用されるPONシステムを最適化して駆動することで、利用効率を改善できる。

「仮想化資源制御技術」においてOKIは、PONシステムに適応して駆動する資源制御技術の開発として、ITU-Tで規格化された双方向10GbpsのPONシステム「XGS-PON」をベースに、異なる2波長(10Gbps×2)を使用した仮想PONシステムを構築した。

また、ネットワーク機器オープン化の業界団体ONFで規定される、アクセス向けOSSのONOS・VOLTHAに波長や時間の帯域資源によるスライスを割り当てる機能の構築(スライスごとに低遅延、最大帯域などの通信要件の確保)を行った。

東北大学は、トラフィックのAI予測技術の開発として、イタリアテレコムのオープンデータを用い、時系列データの予測によく用いるロング・ショートターム・メモリ(LSTM)を使った学習と、複数エリアを演算することで、メモリー使用率の低減に向けた予測・実装を行った。

この結果、ONUが送受信する波長を切り替えることでOLTへの収容を変更でき、1波長あたり10Gbpsの通信量をまかなうことができる。

実証実験では、2波長(20Gbps)を実装し、総トラフィックのしきい値(境目となる値)を8Gbpsとすることで、AI予測の結果がしきい値以下の時は1波長(1台のOSU)ですべてのONUを収容し、しきい値以上の時は2波長(2台のOSU)でONUを収容できるように波長資源を制御し、資源の割り当てを変更することに成功した。

波長資源増減の概要図(下図)では、総トラフィックがしきい値を超えると、ONU3の波長をλ2に変更することで、ONU1とONU2はOSU1で収容、ONU3はOSU2で収容することになる。

OKI・東北大学・NEDO、OSSベースの仮想PONで自律的な波長資源の切り替え技術の実証に成功
実験構成と波長切り替えの概要図

このため、しきい値以上のトラフィックが発生しても、通信回線にアクセスが集中し、つながりにくくなる輻輳(ふくそう)が起きることなく、通信が可能になる。

「仮想化資源制御技術」の効果を消費電力に置き換えた場合、既存方式と比べて20%以上の削減が期待されている。

また、既存のPONで使用される通信局側の光信号送受信装置(OLT)の消費電力は、ポートあたり年間約8.8kWhとされており、「仮想化資源制御技術」の活用により、年間約1.8kWh以上の削減が期待される。

ポスト5Gのサービスが社会実装される2025年ごろには、全国で現在の約100倍にあたる数千万台のOLTの設置が予想されていることから、「仮想化資源制御技術」の活用により、年間約2GWhの消費電力削減(二酸化炭素(CO2)換算で約920t削減)が期待されている。

あわせて、PONシステムの加入者側装置(ONU)やアンテナ側のスリープ制御も含めた場合、さらなる消費電力の削減が見込めるとしている。

今後OKIは、仮想PONの実用化を目指し、商品開発に取り組んでいくとしている。また、「仮想化資源制御技術」は、今後爆発的に増加するモバイル通信用の基地局アンテナを結ぶ光通信ケーブルの配線効率化にも適用が可能だ。

東北大学は、AI予測技術のさらなる精度向上と、予測結果に応じたネットワーク資源割り当て技術に関する研究開発を進めていく。

NEDOは、「仮想化資源制御技術」をはじめ、今後もポスト5Gに対応した情報通信システムの中核となる技術を開発することで、日本のポスト5G情報通信システムの開発および製造基盤の強化を目指すとしている。

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