株式会社村田製作所は、無線LAN規格であるWi-Fi 6EやWi-Fi 7に対応する、アンテナの高効率化と小型化を両立させる無給電素子結合デバイスを開発した。
このデバイスは、無給電素子を給電アンテナに強く電磁界結合することによって、無給電素子が持つアンテナ共振を追加することができるというものだ。
アンテナを単純に小型化すると、無給電素子とグランドの間で電磁界結合が強くなるため、相対的に給電アンテナとの結合が弱くなるが、このデバイスを活用することで、給電アンテナと無給電素子の結合を強化し、小型のアンテナでも良好な特性を得ることができる。
アンテナは、広帯域で用いる際、インピーダンス不整合を起こして無線通信の性能低下を招く。さらに、インピーダンス不整合のアンテナを、長いケーブルを用いて通信回路と接続する場合は、長いケーブルがインピーダンス不整合を助長することで挿入損失を発生させ、無線通信の性能が低下する。
そこで今回開発されたデバイスを活用することで、アンテナのマッチングを改善し、長いケーブルを用いた場合でも、無線通信の性能低下を抑制することができる。
ノートパソコンなどの電子機器に搭載されるアンテナにこのデバイスを付加することで、Wi-Fi 6Eおよび7の規格に準拠した無線通信が可能だ。
すでに量産が開始されており、このデバイスを搭載した機器の市場投入は、2023年末を予定している。
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