パナソニック ホールディングス株式会社(以下、パナソニックHD)は、同社が開発したWavelet OFDM方式をベースとする複数媒体で通信可能な技術が、IEEE標準規格協会の理事会の審議を経て、新たな規格IEEE 1901cとして承認されたことを発表した。
この規格は、同じ変復調方式を、有線、無線、海中含む様々な通信媒体で利用可能な通信手段だ。
承認された通信規格に基づくこの技術では、有線通信として、利用周波数を従来のメガヘルツ帯からキロヘルツ帯まで拡張し、様々な通信媒体での通信の長距離化が可能となる。
電力線や通信線といった一般のメタル配線を使用し、「数キロメールをカバーする長距離通信」「Mbpsクラスのブロードバンド通信」「インターネットプロトコル(IP)対応」「柔軟なネットワーク構成が可能なトポロジーフリー」「安全かつセキュアな通信機能」などが実現できる。
またこの技術を、アンテナを利用した微弱電波を用いた無線通信に適用することで、通信範囲を制限可能な近距離高速無線が実現可能だ。無線通信への適用により、海中でのIoT通信の実現に貢献することも期待されている。
なおこの海中・水中IoTへの適用は、国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)のBeyond 5G研究開発促進事業に採択され、技術開発とともに実証実験が進行中だ。
またパナソニックHDは、規格化作業と並行して半導体IPコアの設計開発を行っており、今回の規格承認を受けて、半導体企業にライセンス供与を開始するとともに、パナソニック グループにおける商品やサービスに活用していくとしている。
加えて、Nessumの普及拡大・通信互換性確保・国際標準化活動を目的とした団体「Nessumアライアンス」および会員企業と連携し、相互接続の検証や普及促進を行う予定だ。
無料メルマガ会員に登録しませんか?
IoTに関する様々な情報を取材し、皆様にお届けいたします。