近年、複数の衛星を連携、協調させて一体的に機能させる仕組みである「衛星コンステレーション」の普及・拡大に伴い、低軌道周回衛星における高速通信への需要の急増が見込まれている。特に、衛星間通信においてはm高速大容量通信が可能で、電波干渉対策などへの対応が容易な光通信が注目されている。
こうした中、日本電気株式会社(以下、NEC)と米国のSkyloom Global Corporationは、衛星ネットワーク用の光通信装置を共同開発すると発表した。
従来、宇宙での通信は電波が主流であったが、今回の協業では、地上の光通信システムで培われた光通信技術を宇宙通信に応用する。
両社は、速度100Gbps以上を実現する衛星間光通信の技術開発を進め、この技術を基に2025年末の完成を目指して、100 Gbps光通信端末(OCT:Optical Communication Terminal)の共同開発やテスト、製造に取り組むとしている。また、2026年には開発した製品を宇宙環境で実証し、その後、世界市場に提供していく予定だ。
SkyloomのEric Moltzau氏は「これは、世界的なインターネットと宇宙通信における画期的なマイルストーンだ。NECとのパートナーシップにより、画期的な100 Gbps OCTの共同開発、テスト、製造に取り組み、2025年末までに完成させる」と述べている。
また、Santiago Tempone氏も「100 Gbps WARP OCTは、宇宙における通信の最新技術を活用している。低遅延、高速な宇宙通信の実現と通信の商業化への課題を乗り越えるため、NECとパートナーシップを組むことを嬉しく思う」と述べている。
一方NECの清水基充氏は、「各衛星を光通信で接続した衛星コンステレーションネットワークは、従来のスタンドアロン型の衛星では不可避だった地理的・時間的な制約から宇宙利用の可能性を解放する。これらはともに、低遅延で高速な衛星間光通信により可能となるものだ。その先にはNECが目指す海底から宇宙までのコンピュータと通信の融合がある」とコメントした。
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