ローデ・シュワルツとETS-Lindgrenは、ETS-LindgrenのEMQuestソフトウェアに、ローデ・シュワルツのCMX500ワンボックス・シグナリング・テスタとR&S SMBV100Bベクトル信号発生器を統合することで、5G FR1・5G FR2・Wi Fi 7・A-GNSSを含めた最新規格のテストを行うソリューションを発表した。
EMQuestソフトウェアは、電磁波(EM)関連のテストとシミュレーションを行うためのソフトウェアだ。主に、無線通信技術(5G、Wi-Fi、Bluetoothなど)のオーバー・ザ・エア(OTA)テストを行うために使用される。
一方、CMX500ワンボックス・シグナリング・テスタは、5Gデバイス製造段階で、シグナリングおよびノンシグナリングテスト向けの統一的なテスト環境を構築できる通信テスト機器だ。4G LTEや5G NR FR1/FR2、5G RedCap技術、Wi-Fi 7規格までのWi-Fiなど、セルラー系と非セルラー系の技術をサポートしている。
また、R&S SMBV100Bベクトル信号発生器は、高い出力パワーと校正済みの広帯域信号生成能力をもつ、レシーバやコンポーネントの特性評価に適したテストソリューションだ。フル機能のGNSS衛星シミュレータでもあり、CMX500と組み合わせることで、制御可能な環境下のもとでA-GNSSシナリオを実行することができる。
今回、これらローデ・シュワルツの測定器とETS-Lindgrenの電波暗室およびEMQuestソフトウェアを統合することで、5GやWi-Fi 7などの新しい通信技術のテストがより効率的で精度の高いものになったのだという。
さらに、この統合ソリューションは、4Gおよび5G FR1のCTIA認証を受けており、SISOとMIMOの両方をサポートしている。4Gと5Gのキャリアを組み合わせる場合でも、数百ものチャネルとバンドにわたるキャリア・アグリゲーションを利用可能だ。
この統合ソリューションを活用することで、第7世代までのWi-FiやBluetooth、Narrowband NTN、RedCapなどの他の技術にも対応する。
ローデ・シュワルツでモバイル無線機テスタを担当する上級副社長のChristoph Pointer氏は、「ETS-Lindgrenの柔軟性に富んだOTAシステムにCMX500とSMBV100Bが統合されたことで、次世代のワイヤレス技術に備えることができる。私ども両社はともに、4G・5G・A-GNSS・Wi-Fi 7に加え、他の新技術にも対応できるようアップグレード可能なソリューションを提供していく」と述べている。
また、ETS-Lindgrenのワイヤレス・ソリューション担当ディレクタであるJames Young氏は、「CMX500でカバーできる通信技術の広さは業界をリードしており、ほぼすべてのワイヤレス通信プロトコルへの対応能力がまさにワンボックス・テスタとして集約されている。
そのうえ、ローデ・シュワルツの計測器がサポートするプロトコルや通信技術であれば、全システムのテスト・オプションとして追加できる。なぜなら、対応する通信技術へとアップグレードしていけば、耐用年数が延び、システムの初期投資もしっかり回収できるからだ」とコメントしている。
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