株式会社ソラコムは、同社が提供するIoTプラットフォーム「SORACOM」において、eUICC対応のSIMに、後からSORACOMの通信プランをインストールできる「SIMプロファイル発行」機能を強化し、新たに日本向けの通信プロファイル(※)を追加した。
※通信プロファイル:セルラーネットワークに接続するために必要となるSIMの通信設定情報
SIMは、利用地域に応じて最適な通信プロファイルを選択・更新できるよう設計されている。
特に産業機器では、製造時にSIMが組み込まれると、特定の通信事業者の回線に固定されるケースが一般的であり、さらにSIMの通信開始時期を制御することも難しいという課題があった。
そこで、SIMカードを取り外さずにネットワークやオペレータを変更できる「eUICC」に対応したSIMを活用すると、デバイスが利用される国や地域に応じて、最適な通信プロファイルをユーザの希望するタイミングに、ユーザのデバイス主導でインストールできる。
特に、出荷後の通信環境の柔軟な管理が求められるグローバル市場で展開される車両やヘルスケア機器、決済端末などのコネクテッド製品に適している。
「SIMプロファイル発行」機能は、上記のニーズに対応するため、2024年7月より提供を開始し、グローバルで利用されている。
これまでは、170以上の国と地域で利用可能な「plan01s」および「planX1」「planP1」の3つのプロファイルを提供していたが、今回、新たに日本向けの「planX2」に対応した。
「planX2」では、KDDIのLTEおよび5G回線を利用できる。また、欧州と米国、それぞれのエリアのユーザ向けにもプロファイルを追加した。
これにより、日本市場向けのIoTデバイスメーカやサービス提供者は、コネクテッド製品にSIMを搭載し、出荷後に利用地域や用途に適した通信回線を、後から変更する設計が可能になった。
また、SORACOMのプラットフォームに連携することで、回線の管理やシステム連携を一元的に行い、運用コストの最適化や機器のライフサイクルに応じた通信管理が可能だ。
なお、同機能の利用は、対応デバイスでの利用が前提になっているとのことだ。
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