NECが5G対応の仮想化基地局を開発・商用化、2026年度までに5万局以上の展開を目指す

日本電気株式会社(以下、NEC)は、仮想化基地局(以下、vRAN)向けのソフトウェアを開発し、商用化した。

vRANとは、Virtualized Radio Access Networkの略で、スマホなどの通信を支える基地局の機能をソフトウェア化し、専用機器ではなく汎用サーバやクラウド上で動かせるようにした技術だ。

5Gサービスのさらなる高機能化や、運用コストの最適化・効率化、柔軟なネットワーク設計やエリア展開の加速に寄与し、NECが推奨するIOWN構想との連携によるネットワーク技術すべての開発基盤となるシステムだ。

今回NECが開発したvRANは、無線アクセスネットワークの標準化を推進する業界団体であるO-RAN ALLIANCEが定める仕様に準拠している。

また、オープンインターフェース仕様に準拠しているため、異なるベンダの装置やクラウド環境と連携して動作することを保証している。

このソフトウェアを使用することにより、通信事業者が要求する仕様に対して最適なRAN構成を構築することができる。

加えて、完全コンテナ化されたアーキテクチャを採用し、クラウドネイティブかつ大規模な商用利用実績のある5Gハードウェア基地局の技術や知見をベースに開発しており、最先端の汎用サーバに対応している。

さらに、処理を高速化するクアルコム テクノロジーのインライン型アクセラレータ「Qualcomm Dragonwing X100」を活用することで、5Gの特長である高速、大容量通信を実現しているとのことだ。

NECは、既に仮想化技術を適用した5Gコアネットワーク(以下、5GC)を市場に展開しており、今回のvRAN向けのソフトウェアの商用化により、コアからRANまでトータルでクラウドネイティブな5Gネットワークの構築が可能となったとしている。

また、同ソフトウェアを活用することで、仮想化によるリソース再配置が可能になり、NECの専用ハードウェア5G基地局装置使用時と比較して、最大約65%の装置トータル消費電力削減を実現した。

加えて、NECはvRANの高機能化を実現するNear-RT RIC(Near Real-time RAN Intelligent Controller)を開発しており、多様化するサービス要求に応じてRANの動作を動的にカスタマイズし、品質改善やSLA保証、省電力などの機能拡張が可能だ。

さらに、同ソフトウェアをNECが持つネットワークの運用および管理を高度化するソリューションと組み合わせることで、モバイルインフラ全体の構築工数を従来比で約70%短縮し、短期間で5Gネットワークの大規模な商用展開が可能となる。

今後は、国内外の通信事業者向けに同ソフトウェアを提供し、2026年度までに5万局以上の展開を目指すとしている。

クアルコム テクノロジーのvRAN製品マネージメントVPであるGerardo Giaretta氏は、「NECとの強力なコラボレーションにより、Qualcomm Dragonwing X100アクセラレータカードを使用した仮想化分散ユニット(vDU)の商用展開が進んでいることを非常に嬉しく思う。

このコラボレーションは、世界中のネットワーク事業者の進化するニーズを満たす、高性能でエネルギー効率が高く、費用対効果の高い5Gソリューションを提供するという当社のコミットメントを証明しています。」と述べている。

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