Hyundai Motor Companyは、Samsung Electronicsとのパートナーシップにより、スマートマニュファクチャリングのためのプライベート5G(P-5G) RedCapテクノロジーのパイロットプロジェクトに成功したことを発表した。
Hyundai Motorは、2025年1月からSamsungの水原事業場において、同社の社内車両検査装置を使い、「無線」「コア」「管理システム」等で構成されるSamsungのP-5Gソリューションのテストを実施し、先日完了した。このテストでは、カスタム車両検査装置を開発して、ネットワークの運用能力を検証した。
P-5Gは、特定の周波数帯を使用してオンサイトでインストールされる専有システムで、外部干渉がないのが特徴だ。これにより、産業量ロボットや各種デバイスを集中制御するスマートマニュファクチャリングを可能にする。
一方、設計が複雑かつ消費電力が高いといった課題は残るが、環境を最適化し、通信を安定させるためにカスタマイズすることが可能とのことだ。
今回両社の提携により、P-5G RedCapテクノロジーの検証に成功し、デバイス構成の簡素化、コンパクトなインフラストラクチャおよび帯域幅使用量の削減を実現した。
これにより、電力消費が少なくなり、コスト効率が向上するほか、従来のWi-Fiと比べて速度やデータ処理、接続の安定性、低遅延といったパフォーマンス面も改善された。
SamsungのP-5Gソリューションは、最適化されたRedCapソフトウェアをサポートしており、消費電力を削減してアップリンク容量を2倍以上に増やすことで、リアルタイムのIoTデータ伝送を可能にし、自動化を実現する統合管理システムを提供する。
Hyundai Motorは、2022年後半に韓国でP-5Gテストベッドを設立した後、2024年10月には蔚山工場での量産にこのテクノロジーを採用し、数十台の無人搬送車を配備した。
さらに、Hyundai Motor Group メタプラントアメリカでは、P-5Gを現地の規制に適応させることで、200台以上の自律移動型搬送ロボットを効率的に活用しているとのことだ。
また、5GネットワークとWi-Fiを統合したデュアルワイヤレス通信ソリューションを開発し、これを導入してからは通信が原因のダウンタイムがゼロになっているのだという。
今後は、2026年に蔚山に開設する新EV専用工場にP-5Gを統合する予定だ。今回行われたRedCapテクノロジーの検証は、Hyundai Motorのスマートマニュファクチャリング・エコシステムの強化を目的としており、各地の主要工場においても実施が計画されている。
なお同社は、3月3日から6日までスペインで開催されるモバイル展示会「MWC25 Barcelona」において、このテクノロジーを展示するとしている。
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