IoTやAIは、私たちが生活している中で使用している身近な家具や家電にも導入されだしている。一方で、家電や家具を闇雲にインターネットにつなぐ意味はないともいわれている。
しかし、考え抜かれた「つながる家具」や「つながる家電」は一見の価値がある。
そこで、利用者のことをよく考えていると思われる、家具や家電のIoT/AI商品を紹介したい。
ノックでスマートホームを実現する
まず紹介するのはSONICJAMが提供しているSmart Tableだ。
これはテーブルの天板をノックすることで部屋の中の家電などをコントロールすることができるというものだ。
ノックが信号に変わり、BluetoothやWi-fiを通じて他の家電に送られる。ノックの強さやリズムを検知しているとのことで、照明、エアコン、テレビ、コーヒーマシーンといった家電をコントロールすることができる。
スマートスピーカーに話しかけるのに抵抗がある人や声を発することができない人でもノックだけでコントロールができるという一歩先のニーズに訴えかける製品だ。
また、物が増えないことや配線の配慮を行わなくてもいい点がメリットだと感じる。
国内販売価格は未定で、テーブルの大きさや天板の要望を聞くカスタマイズ製品だ。
また、ノックでコントロールするという仕組みを顧客が持っている家具に組み込むということも行なっている。
参考URL:Sonicjam HP
AI搭載ディフューザー
次に紹介するのは、Scentee Machinaが提供するIoTディフューザーだ。
スマートフォンとの連携することができ、香りの選択、オン/オフ制御、タイマー設定、残量の確認、強さの調節などを行うことができる。
また、AIが搭載されているため、使用履歴から香りを分析してくれ、シチュエーションに応じてお気に入りの香りを自動的に選んでくれる。
50mlのフレグランスボトル4本が、デバイスに取り付け可能で、好きなものに取り替えることができる。
香りというのはあると豊かな気持ちになるものだが、なくても困りはしないものだ。
筆者の経験ではアロマディフューザーを一度使わなくなるとほったらかしになるケースが多く、タイマー設定や自動で香りを選定してくれる機能は長く使うのに最適な機能だと感じる。
参考URL:Scentee Machina HP
https://youtu.be/fkJKIxm93QE
家電とクラウドとスマホの連携
最後はシャープが提供するCOCORO KITCHENだ。
これはシャープが提供するスマート家電ブランドCOCORO+(ココロプラス)の製品をインターネットでクラウドの人工知能とつなぐクラウドサービスだ。
COCORO+の家電製品であるヘルシオオーブンレンジ、ホットクック、冷蔵庫も、無線LAN通信と音声対話機能が搭載されている。
そしてクラウドサービスであるCOCORO KITCHENと連携することで、クラウドに保存されているメニューから検索をし、家電側の画面や音声での案内、話しかけた言葉を理解して、状況に応じた操作画面を呼び出すという仕様だ。
また、COCORO KITCHENにはAIが搭載されているため、家電に対して話しかけた言葉や実際に作ったレシピの利用状況から、食材やレシピの嗜好を学習し、メニューの提案もCOCORO KITCHEN側から行なってくれるという。
クラウドサービスなので、レシピのアップデートは常時行うことができる。そしてスマートフォンで決めたレシピをオーブンレンジやホットクックに送信しておけば、調理の準備が遠隔で行うことができる。
アプリで見つけたメニューを冷蔵庫に送信すると、材料情報や買い物リストの作成、買った食材の履歴保存ができる。さらにそれらの情報をもとにクラウドのAIが食材の保存術や買い足し時期などを教えてくれる。
従来の電子レンジは温めと、温度の調節程度であったのに対し、最近の家電製品の課題としては機能が多くなりすぎて使い方が分からないというものだ。
COCORO+では音声対話がついているため、分からないことややりたいことを話しかければ手順を音声で話しながら伝えてくれるというメリットがある。
また、調理自体も家電に搭載されたセンサーにより食材の量や温度、温度の上がり具合をチェックし、加熱時間や焼き加減などを自動調節する機能も備わっている。
さらに他社との連携も行なっており、可能性は広がっている。
参考URL:COCORO KITCHEN HP
このように家電が賢くなることで、生活のスタイルも変わる。
今後ユーザに寄り添ったスマート家具や家電を使う人が増えてくればデータも増え、課題も見えてくるだろう。
そしてユーザーエクスペリエンス(体験)が良くなる改善が行われ、自然と暮らしにテクノロジーが浸透していく。
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