不動産賃貸業界では、鍵に関する問い合わせ対応、更新・退去対応などのに加え、内覧物件案内など、実物鍵を取り扱うことによる業務非効率が課題となっている。
そこで三菱地所株式会社と大崎電気工業株式会社は、スマートホーム事業領域における業務提携に向けた基本合意書を締結し、協業の第1弾として、三菱地所が開発した総合スマートホームサービス「HOMETACT(ホームタクト)」と、大崎電気工業が開発したスマートロック「OPELO(オペロ)」のシステム連携を開始する。
「HOMETACT」は、照明、エアコン、給湯器、カーテンやロボット掃除機など、複数メーカのIoT機器を1つのアプリ内で操作可能で、スマートスピーカによる音声操作にも対応。「シーン」「マイルール」機能で、ユーザがホームオートメーションを自由にカスタマイズできる総合スマートホームサービスだ。
「OPELO」は、既存の鍵に後付けで設置し、空室時モードと入居時モードの2つのモードで管理することができるスマートロックだ。(トップ画右)
入居時はICカード、パスワード、スマートフォンで施解錠することができ、退去時も鍵の交換をする必要がない。空室時は期間限定の鍵に加えて、集合玄関用の「OPELO ENTRANCE」、荷物受け渡し用の「OPELO BOX」として活用することができる。
今回、「HOMETACT」と「OPELO」をシステム連携することにより、賃貸管理会社はHOMETACT管理画面(TACTBASE)のパスワード管理機能を活用し、セルフ内覧対応、入退去時の鍵の交換業務や、ペーパーレスでのスマートロック利用案内などが可能となる。
また、入居者のスマホやICカードが鍵代わりになることに加え、「HOMETACT」アプリで発行可能なワンデイパスワードを活用した家事代行などの「家ナカサービス」の利用を促進することができる。
入居者は、「HOMETACT」アプリで全てのIoT機器操作や、スマートロックのワンデイパスワード機能がワンパッケージで利用可能。オーナーは、複数ソリューションの個別契約が不要となり、導入コストが抑えられる。
今後2社は、「HOMETACT×OPELO」をサービスパッケージ化し、不動産デベロッパーや賃貸管理会社へのサービス提供に向け営業協力体制を強化する。
また、共用部無人管理システムの共同開発をはじめ、将来的な分譲住宅市場向けの商品開発やエネルギーマネジメント領域での共同研究などの協業を行なっていくとしている。
さらに、住宅のZEH-M対応に向けたスマートメータリングシステムの開発など、脱炭素社会に貢献する事業検討も共同で推進していく方針だ。
無料メルマガ会員に登録しませんか?
IoTに関する様々な情報を取材し、皆様にお届けいたします。