ミサワホーム株式会社と富士通株式会社は本日、富士通が開発した常時認証技術による暮らしのパーソナライズ化や、家族や訪問者を見守る空間に関する検証を2023年6月から開始しており、2024年1月まで実施することを発表した。
今回発表された検証は、ミサワホームが2021年に建設したコンセプト住宅内に、生体認証センサとカメラを設置することで、人と行動を常に認識する常時認証技術の実証を実施する。

具体的には、ミサワホームと富士通の従業員や取引先などの一部関係者が、シェアオフィスを使用する際に入口の専用機器で生体認証登録と自身の好みなど自身に関する情報を登録する。
そして、シェアオフィス内に設置された生体認証センサとカメラで常時認証を行い、照明機器やスピーカー、モニターなどの住宅機器と連動して、来場者の好む音楽を流すなどパーソナライズ化された住環境の価値を検証するといったものだ。

今回活用された常時認証技術は、生体認証技術と「行動分析技術Actlyzer」を組み合わせて、生体認証による本人確認結果を、特定エリア内に設置されたカメラで撮影された人物と紐づけることで認証状態を維持しながら、その人物の位置をリアルタイムに推定できる技術だ。
これまで、カメラの設置位置によって、各カメラ映像中の人物の見え方が異なり、複数のカメラをまたいで人物をトラッキングすることは困難であった。
今回、複数のカメラ映像から、トラッキング中に人物の服装や背格好など、外見の特徴を随時抽出して特徴量を更新する技術を開発した。
これにより、人物の見え方の違いを吸収して、カメラ間での人物トラッキングを実現した。

この技術は、住宅内のような区切られた空間を行き来する際においても、活用が見込まれている。
なお、常時認証にかかる処理はすべてクラウドで処理され、エリア内の機器がその処理結果を受け取り、駆動する仕組みとなっている。
今後、パーソナライズ化やセキュアな空間の検証を行うほか、人の行動をトリガーとして、エリア内での転倒事故のリアルタイムな通知やキャッシュレス決済など、認証操作を意識させないサービスへの応用を検討していくとしている。
また、同技術の活用によるパーソナライズ化された空間や、家族や訪問者を見守るセキュアな空間についても検証を実施する。
なお、モデル住宅退出時に、生体認証、アンケートで回答した趣味嗜好などの個人情報は削除される。
エリア内での移動に関する映像データは、個人と紐づかない状態で管理して検証に活用し、実証実験終了後に削除する。
個人情報の取り扱いに関しては、来場者に、体験エリア入り口のサイネージ、および、顔認証登録アプリの説明文を通じてアナウンスし、合意の上で入場するようにしている。
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