河村電器産業と三菱電機、クラウドHEMS対応の住宅用分電盤を共同開発

政府は、2050年までの日本のカーボンニュートラルの実現に向けて、住宅分野におけるネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(以下、ZEH)の普及が求められているなか、ZEHの普及を実現するためのひとつの手段として、省エネへの意識付けや電力消費量の削減に貢献するホーム・エネルギー・マネジメント・システム(以下、HEMS)の導入を、ZEH住宅の補助金要件として掲げている。

また、HEMSは、電力需給調整のために、家庭のエネルギーリソースを活用できるシステムとしても期待されている。

一方、HEMSを導入するには、現状では分電盤の他に通信機能を持った専用のHEMSコントローラを別途設置する必要があり、その製品や配線工事のコスト等が普及推進の課題となっている。

こうした中、三菱電機株式会社と河村電器産業株式会社は、ZEHの普及に向けて、HEMS機能をクラウドに集約し、住宅内機器との通信機能を分電盤内部に備えた、クラウドHEMS対応住宅用分電盤を共同開発した。

そして、河村電器産業が、この分電盤を2023年10月4日より販売を開始し、三菱電機がこの分電盤に対応したアプリケーション「ミエネル」を、三菱電機独自の家電統合アプリケーション「MyMU(マイエムユー)」内で同日に提供を開始する。

河村電器産業と三菱電機、クラウドHEMS対応の住宅用分電盤を共同開発
見える化アプリケーション「ミエネル」

今回共同開発された分電盤は、通信以外のHEMS機能をクラウドに集約した「クラウド型 HEMS プラットフォーム」を組み合わせて使用することで、据え置き型のHEMSコントローラを購入せずに、HEMSを導入することができる。

さらに、この分電盤に対応したアプリケーション「ミエネル」は、分電盤で計測した家電製品の消費電力や、どのメーカでも共通で利用できる標準通信プロトコル「ECHONET Lite」に対応した各社の太陽光発電、燃料電池、蓄電池のエネルギーの使用状況を確認することが可能だ。

将来的には、電力会社やアグリゲータのクラウドと連携し、家庭のHEMS対応製品をエネルギーリソースとして活用することで、クラウド型 HEMSによるDR(デマンド・レスポンス)に対応していくとしている。

また、クラウド型HEMSプラットフォームの拡張性の高さを活かし、「ECHONET Lite」の重点8機器(スマートメータ、太陽光発電、蓄電池、燃料電池、電気自動車充電器/充放電器、エアコン、照明機器、給湯器)を中心に、三菱電機製品だけでなく、各社の対応製品を拡充し、「MyMU」からの操作をできるようにしていく予定だ。

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