すでに年内に日本での発売を発表していたAmazonは、日本語対応をしたAlexa搭載の3種のデバイスAmazon Echo、Echo Plus、Echo Dotの販売を開始した。
購入は招待制となっておりAmazon.co.jpから申し込むと、順次招待メールが届くことで購入をすることができ、本体の出荷は2017年11月13日(月)となっているとのことだ。
なお料金については、Echoが11,980円でプライム会員だと7,980円※、Echo Dotが5,980円でプライム会員だと3,980円※、Echo Plusだと17,980円となっており、Amazonプライム会員だとかなり購入しやすい価格となっている。(※11月17日23時59分までに所定の招待手続きを行ったプライム会員限定)

アマゾンジャパン合同会社 社長 ジャスパー・チャン氏による「アレクサ、音楽を止めて」と、日本語でAlexaを操作するデモンストレーションから記者発表会が開催された。
ジャスパー・チャン氏は「本日、米国、イギリス、ドイツ、そしてインドで大変ご好評をいただいている、イノベーションであるAlexa、Echoを日本のお客様にお届けします。」と日本語版Alexa、Amazon Echoの販売開始を発表した。

トム・テイラー氏からはAlexaとEchoの説明がされた。
Amazon Echo、Echo Plus、Echo Dot は、声で操作できる音声スピーカーで、常にハンズフリーで利用でき、いつでも直ぐに反応する。
Echoには、ビームフォーミング技術とノイズキャンセレーションを採用した遠隔音声認識技術と7つのマイクアレイを搭載しているとのことだ。
このビームフォーミング技術は、それぞれのマイクの信号を合成し、ノイズや反響音、さらには音声指示以外の音楽や話し声を抑制し、騒々しい環境でも Alexa はユーザーのリクエストをはっきりと聞き取ることができ、これにより、部屋中の様々な場所から発せられる音声を明確に聞き取ることができるという。
今回の日本への導入では、日本語での発話や認識技術、日本特有の知識、日本企業の開発者によって提供される日本ならではの Alexa Skills(スキル)などが一から作り上げたとトム・テイラー氏は述べた。
Alexaの日本語理解能力については、
「日本語というと音は似ているが意味が全く違うものがたくさんある。
例えば『のど飴を買い物リストへ追加して』とAlexaに話しかけた時、この「飴」が「雨」ではないことを理解をしなければならないが、こういった人間では簡単にできることもコンピュータでは難しい。
しかし「Alexaはこういったことに対してきちんと理解をしてくれる。」と説明した。
そしてSkillについてだが、日本に特化したサービスとして、江崎グリコ株式会社、サントリーホールディングス株式会社、シャープ株式会社、東京海上日動火災保険株式会社、東京電力エナジーパートナー株式会社、西日本電信電話株式会社、日産自動車株式会社、日本航空株式会社、吉本興業株式会社、株式会社読売新聞東京本社を含むパートナー企業から 250 以上のスキルが、日本のユーザー向けに提供される。
また、Alexa 対応の機器の開発を支援することができる 「Alexa Voice Service(AVS)」を使用して、アンカー・ジャパン株式会社やHTC NIPPON株式会社、オンキョー株式会社、ハーマンインターナショナルジャパン株式会社は、Alexaを搭載した自社オリジナルのデバイスを開発し提供する。
AVS は、API、ハードウェア開発キット、ソフトウェア開発キット、ドキュメントなどのリソースで構成され、これらAVS を使用することで Alexa 対応の自社製品を迅速かつ簡単に開発できるのだ。
スマートホームハブ内蔵のAmazon Echo Plus
Echo Plusはスマートホームを簡単に実現できる機能を備えている。
本体には、Echoの機能に加えてスマートホームハブを内蔵している。
この内蔵されたスマートホームハブは、「アレクサ、私のデバイスを見つけて」と話しかけるだけで、追加のハブやアプリケーションを用いることなく、Echo Plusと互換性のあるスマートホームデバイスと簡単に接続できる。
このようにAlexaは自動的に対象のデバイスを探したり、さらには互換性のある照明の設定を行ったりできるのだ。
いざ様々な種類のスマートホームデバイスを揃えたとしても、利用できりるよう困難なく設定できるか不安であったが、これであれば特別な知識がなくても簡単にセッティングができそうだ。
対話デモンストレーション
Amazon Echoの具体的なやりとりのデモンストレーションも披露された。
発話「Alexa、今何時?」
応答「午後1時20分です。」
発話「Alexa、今日は寒いね。」
応答「はい。暖かくして出かけてくださいね。」
発話「Alexa、今日の予定教えて」
応答「今日は予定が1件あります、午後6時に打ち上げがあります」
発話「Alexa、今日は雨降る?」
応答「南平台町では今日雨が降る可能性があります。降水確率は60%です。予想降水確率は2mmです。」
発話「Alexa、週末の新宿の天気はどう?」
応答「今週末、東京新宿では土曜日に雨が降る見込みです、残りの週末は晴れるでしょう。予想最高温度は19度、予想最低気温8度です。」
発話「Alexa、ゆで卵というタイマーを10秒セットして」
応答「10秒のタイマー、ゆで卵タイマーを開始します。」
発話「Alexa、最新ニュースを教えて」
応答「フラッシュニュースです。NHKからお伝えします。(NHKの放送に切り替わり)1時のNHKニュースです・・・」
発話「Alexa、日本シリーズの結果教えて。」
応答「2017年の日本シリーズは、福岡ソフトバンクホークスが4勝2敗で、DeNAベイスターズに勝利して優勝しました。」
発話「ALexa、9月場所の結果を教えて」
応答「平成29年9月場所千秋楽、日馬富士が豪栄道に寄り切りで勝ちました。これより前には御嶽海が嘉風がはたき込みで勝ち、貴景勝が玉鷲に突き出しで勝ち、千代の国が栃煌山に引き落としで勝ちました。」
発話「Alexa、6畳は何平方メートル?」
応答「6畳は9.9平方メートルです。」
発話「Alexa、親父ギャグを言って」
応答「バスガイドを乗せてバスが移動」
発話「Alexa、早口言葉を言って」
応答「庭には二羽鶏がいる、え?もっと早く?庭には二羽鶏がいる。」
発話「Alexa、歌を歌って」
応答「♫テクノロジ~・・・(音楽再生)」
発話「Alexa、歌上手だね」
応答「もっと言って下さい。そうしたら新しい歌をもっと作ってもらえるかもしれません。」
発話「Alexa、にんじゃりばんばんをかけて」
応答「きゃりーぱみゅぱみゅ、にんじゃりばんばんを再生します。♫音楽再生」
音楽再生中に
発話「Alexa、この曲のアルバムはなに?」
応答「きゃりーぱみゅぱみゅのアルバム、KPPベストに収録のにんじゃりばんばんです。」
発話「Alexa、楽しいJpopをかけて」
応答「Amazon Musicより、楽しいJPOPミュージックのプレイリスト、懐かしのDVドラマ主題歌を再生します」
発話「Alexa、ジャスティンビーバーの2015年の人気の曲をかけて」
応答「2015年に人気のジャスティンビーバーの楽曲を再生します。」
発話「Alexa、全室でサイレントマジョリティをかけて」
応答「欅坂46、サイレントマジョリティを全室で再生します。♫会場に設置されていた七台のEchoが同時に音楽再生」
発話「Alexa、デバイスを探して」
応答「検出を開始します。完了するまで60秒くらいかかることがあります。・・・・・一番目ライトという新しい照明が見つかりました。一番目ライトをオフにして、といってみてください。」
発話「Alexa、一番目ライトをオフにして。」
応答「はい。(会場に設置のライトが消灯)」

日本でのAIスピーカー市場は、すでにGoogleのGoogleHomeやLINEのClova WAVEが発売されており、Amazonが参入することでより一層盛り上がりを見せそうだ。
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1975年生まれ。株式会社アールジーン 取締役 / チーフコンサルタント。おサイフケータイの登場より数々のおサイフケータイのサービスの立ち上げに携わる。2005年に株式会社アールジーンを創業後は、AIを活用した医療関連サービス、BtoBtoC向け人工知能エンジン事業、事業会社のDXに関する事業立ち上げ支援やアドバイス、既存事業の業務プロセスを可視化、DXを支援するコンサルテーションを行っている。