昨今、CO2排出量の抑制・削減への取り組みが加速しており、建設業界においても、あらゆる建設ライフサイクル、特に建設現場での活動が主体となる施工段階において、CO2排出量をいかに削減していくかが重要だ。
そのためには、建設作業の進捗に応じたCO2排出量を把握する必要がある。
しかし、建設現場では工事内容が多岐に渡り、それぞれの専門業者が個別に建設機械や電動機材を使用していることから、CO2排出量の把握には、建設機械や搬出入車両の台数情報、燃料や電気等の購買伝票を各専門業者から回収し、表計算ソフトなどに転記・集計する必要があり、膨大な手間と時間が掛かるという課題があった。
そうした中、大成建設株式会社と株式会社リバスタは、既存のCO2排出量計測管理のノウハウと現場データを活用した「建設現場で発生するCO2排出量の計測管理サービス」の開発に着手することを発表した。
大成建設は、建設現場で発生するCO2排出量をカメラとAIの画像認識機能を用いて計測・集計する独自システム「T-CARBON Watch」を2021年に開発しており、今回のサービス開発にあたりこの管理ノウハウを活用するとしている。
具体的には、担当者の入力作業を極力省くため、「カメラとAIの画像認識機能によるスポット入場重機・車両情報」「電力会社ホームページに掲載された電気使用情報」「燃料供給業者から提供される現場内での給油情報」「社内システムで集計された燃料購入情報」「電子マニフェストデータによる廃棄物運搬情報」といった各種情報を活用し、CO2排出量を自動的に計測・集計する。
リバスタは、電子マニフェストサービス「e-reverse.com」や建設現場施工管理サービス「Buildee」を提供しており、これらのサービスを通じて蓄積された各種現場データを活用して、産廃運搬や建設機械の稼働に係るCO2排出量を自動算定するオプションサービスも提供している。
また、リバスタは一般社団法人電力データ管理協会に参画し、電力データを取得・活用するための仕組みづくりを進めており、2023年秋頃に、今回開発するCO2排出量管理サービスのオプションとして、建設現場で使用した電力由来のCO2排出量を自動算定するサービスを、リバスタが販売する予定だ。
今後両社は、CO2排出量管理サービスの新規開発を行い、大成建設の建設現場への導入・評価を経て、リバスタから製品として販売を行い、機能強化を進めていくとしている。
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