建設現場では、複数の企業から多種多様な職種の現場作業者が派遣され、建設工事に従事することから、現場作業者一人ひとりが目的意識を共有し、自発的、かつ積極的に安全行動を取っていくといった、安全文化の向上が必要となる。
そこでJGC Digital株式会社(以下、JGCD)は、建設現場の安全文化の向上を支援するスマートフォンアプリ「アザス」の提供を、2023年2月1日から開始したことを発表した。
「アザス」は、監督者が現場作業者に「アザス」と呼ばれるポイントを送ることで、監督者と現場作業者のコミュニケーションの頻度や繋がりを可視化できるシステムだ。
監督者は「KY活動」や「一斉清掃」といった「ナイスアクション」を選んで、現場作業者のヘルメットに貼ったQRコードをスキャンすることで、現場作業員に「アザス」を送ることができる。
送った「アザス」にはお互いの名前とナイスアクション履歴が残り、貯めた「アザス」はランキング形式でアプリ上に表示される。貯めた「アザス」は、建設現場内の売店等で物品に交換できるなどの仕組みを作ることも可能だ。
「アザス」の開発にあたっては、建設工事に従事する幅広い年齢層・職種の現場作業者に対応するため、利用者の操作性を最優先とし、アプリのデザインは現場作業者に親しみ易いものとしている。
また、建設現場の期間に合わせたサブスクリプション型サービス契約とするなど、現場数や利用計画に合わせた柔軟な契約形態による提供が可能だ。
なお、「アザス」の実用可能性を検証するため、2021年2月にグループ会社の日揮株式会社が、遂行中の国内プラント建設現場で実証用アプリを導入した。
その結果、当初予定されていた運用期間6ヵ月を超え、21ヵ月間に亘運用された。同現場は連続928日、140万2,576時間連続無事故・無災害という、日揮が過去に遂行した同規模の建設工事としては傑出した記録を達成して完工したという。
実証用アプリを導入したことにより、監督者と現場作業者とのコミュニケーション頻度の改善、質の向上が図られ、現場作業者の安全意識が向上したとしている。
今後JGCDは、日揮株式会社をはじめグループ会社と協力し、石油、ガス、化学、再生可能エネルギーなどのプラント建設現場に加え、幅広い産業分野における建設現場での導入を目指していく予定だ。
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