大阪ガスと大林組、建設現場の施工管理を支援する 「建設工事向けAI気象予測サービス」の開発に着手

建設工事では、気象条件に合わせて工程を調整する必要があるほか、建設現場で働く人たちの体調に配慮した対策を講じる女必要がある。

そこで、株式会社大林組はこれまで、複数の気象情報活用システムを開発してきた。

また大阪ガス株式会社では、2008年から独自の気象予測技術を開発・運用しており、気象条件の影響を強く受ける自社のエネルギービジネスへの活用や、AIの活用による精度向上などに取り組んできた。

そうした中、2社は、2022年5月から共同で、気象が建設工事に与える影響および建設現場での気象予測ニーズに関する調査を開始するとともに、夢洲エリアを対象とし、過去の気象観測データを用い、予測の精度を評価してきた。

その結果、建設現場で求められる気象情報の仕様、および夢洲エリアの気象傾向をAIに学習させることで、予測精度を高められる可能性があることなどが確認された。

さらに、2022年12月に気象業務法が改正され、一定の条件を満たせば、気象予報士を介さずにコンピュータが自動で生成した気象予測情報を提供できるようになったため、大阪ガスも従来より高頻度で予測情報の提供が可能になった。

そして本日、大阪ガスと大林組は、AI技術を用いた気象予測情報を建設現場で活用することで施工管理を支援する「建設工事向けAI気象予測サービス」の開発に、共同で着手したことを発表した。

両社が開発に着手した「建設工事向けAI気象予測サービス」の具体的な取り組みは、「AI気象予測サービスの開発」「建設工事向け気象サービスの開発」「効果的な伝達手段の検討」だ。

大阪ガスと大林組、建設現場の施工管理を支援する 「建設工事向けAI気象予測サービス」の開発に着手
今回の取り組みの全体像

AI気象予測サービスの開発では、大阪ガス独自の気象予測と、現地の気象観測データを学習したAIを組み合わせた、高精度なピンポイント気象予測情報を、気象予報士を介さずに提供する。

大阪ガスと大林組、建設現場の施工管理を支援する 「建設工事向けAI気象予測サービス」の開発に着手
コンピュータが自動で提供するAIを活用した高精度な気象予測のイメージ

建設工事向け気象サービスの開発では、建設現場における各種作業に応じて、必要な気象情報を加工して提供する。

例えば、労働安全衛生法の規定に基づくクレーン等安全規則では、クレーン作業を中止しなければならない風速条件が定められている。

そこで、数日前に一定時間ごとの平均風速予測の情報を「クレーン作業指数」として提供することで、事前の工程変更の判断が容易になる。

効果的な伝達手段の検討では、例えば、施工管理の支援情報は施工管理者が利用するチャットツールに通知し、作業関連の注意案内は朝礼広場のデジタルサイネージで作業員へ周知するなど、目的にあった伝達手段とその効果を検討する。

今後2社は、夢洲エリアの建設現場において、「建設工事向けAI気象予測サービス」の実証実験を段階的に進め、実測の現地観測データとの比較や利用者へのヒアリングを通じて、有用性の評価を行う予定だ。

また、得られた成果を他の建設工事にも展開・活用していくとしている。

なお、「大阪府・大阪市スーパーシティ構想」に掲げられている「夢洲コンストラクション」および、万博期間中・終了後のさまざまなデータ連携を目指した「夢洲プラットフォーム」においても、気象予測の活用について検討していくのだという。

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