株式会社ホロラボとSB C&S株式会社が共同開発し、販売する3D CAD/BIM/CIMファイルのAR/MRみえる化ソリューション「mixpace」は、手軽に3D CADやBIM、CIMで作成したデータをARMR対応デバイスで確認が可能な3Dデータに変換でき、設計や製造、建設、配置シミュレーション、施工、保守などで3Dデータを活用することができる。これまで手作業で何日もかかっていたAR/MR向けの変換作業が、最短1-2分で自動的に完了するため、作業時間の短縮が見込める。
これまでの現実の風景にCGを重ねて表示するAR表示では、その特性により、表示する3Dモデルが地下に埋設される場合や、3Dモデルよりも手前に遮蔽物がある場合に、現実の位置と合っていないように見える、実際よりも小さく見える、自身の移動に合わせて3Dモデルが追従してくるように見えるなどの課題があった。
このほど両社は、mixpaceのiPad版アプリに、地下に埋設されている部分をAR表示できる「埋設表現機能」と現実空間とAR表示したCGの前後関係の認識に適した「オクルージョン機能(β版)」の2つの新機能を追加搭載した。併せて、iPad版アプリ全体のユーザーインターフェースも刷新した。AR表示領域を広げ、端末から手を放さずに操作しやすいよう、メニューやボタンの配置などを変更している。
埋設表現機能は、現実空間にAR表示で仮想の穴を空け、その穴の中に3Dモデルの埋設部を配置することができる機能である。同機能により、埋設部が地下にあることを認識しやすくなり、図面だけではイメージしづらかった埋設物がどのように設置されるかを把握しやすくなった。複雑に交差する地下下水路の切り替え工事などでは、事前にCIMモデルの取り合いを確認できるようになり、関係者間の合意形成や工事計画の検討にかかる時間の短縮が期待できる。
一方のオクルージョン機能は、AR表示した3Dモデルと現実空間にある物体が重なったとき、その前後関係をLiDARセンサーによって判断し、現実の物体の陰になる部分の3Dモデルを隠すことができる機能である。同機能により、壁を貫通する配管などの3Dモデルを表示した場合、壁面をLiDARセンサーで認識することで3Dモデルが壁面で遮断され、部屋の内部側のみを確認することが可能だ。なお、オクルージョンの効果が得られるのは観測者から約5m先の範囲までとなる。
埋設表現機能とオクルージョン機能を活用することで、埋設物や遮蔽物の多い建設現場などでもより現実感のあるBIM/CIMモデルのAR表示が可能となった。実際の位置関係をイメージしやすくなるため、施主や設計者、施工者など関係者間で認識の相違を軽減し、円滑なコミュニケーションの形成につながることが期待される。
無料メルマガ会員に登録しませんか?

IoTに関する様々な情報を取材し、皆様にお届けいたします。