建設業界では就労者数の減少と従事者の高齢化が急速に進んでおり、将来の担い手を確保するためにも働き方改革を推進し、生産性を向上させることが喫緊の課題となっている。加えて、2024年4月から建設業にも時間外労働の罰則付き上限規制の適用が開始されることから、DXなどによる建設現場での業務の効率化は、待ったなしの状況となっている。
そこで大成建設株式会社と富士通株式会社は協業し、建設現場が直面するこれらの課題を解決するためにはICTを活用した作業所業務の効率化が最適な手段と考え、企画から開発までの全ての過程において技術やノウハウの支援を受けながら、「作業所ダッシュボード」のアジャイル開発(※)を進めてきた。
このほど両社は、「生産プロセスのDX」の一環として、作業予定や施工状況など建設現場内の情報を集約・可視化して関係者間で共有することで、建設現場の業務の効率化を推進する作業所業務支援システム「作業所ダッシュボード」を開発し、大成建設の全国約700作業所で同システムの利用を開始した。
今回の取り組みでは、大成建設と富士通で開発チームを組み、大成建設における作業所ニーズのヒアリングと検証・修正を繰り返しながら開発を進めた。作業所のニーズに合致し、すべての作業所において利用可能で高効率なシステムを構築するとともに、アジャイル開発技術者の育成にも寄与する。
作業所ダッシュボードで共有される情報の一例は以下のとおり。
- 作業所内での各種工事の実施予定
- 作業所閉所情報、日報(本社・支店への毎日の業務報告・連絡)
- 職員個人予定(「Microsoft Office Outlook」との連携)
- 建設現場内に設置したカメラ映像
- LPWA通信(省電力かつ長距離での無線通信)を利用した、建設現場内の温湿度、暑さ指数(WBGT)、風向・風速、騒音・振動、水質PH、酸素濃度など各種センサーシステムと連携した作業所気象情報などのリアルタイム情報

※ アジャイル開発:要求の変化に柔軟に素早く対応するために、開発を短いサイクルで繰り返し価値を高めていく開発手法の一つ。
プレスリリース提供:富士通
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