株式会社リコーは、建設業や建物維持管理業に向けて、空間データ作成・利活用AIソリューションの実証実験を、2023年10月2日から開始する。
空間データ作成・利活用AIソリューションでは、カメラやレーザスキャナなど、光学デバイスから取得した点群と、360度画像を自動的に位置合わせしてつなぎ、既存の建物の内部構造を3次元復元した上で、バーチャル空間として再現する。(トップ画参照)
また、建物に含まれている壁・床・天井・ドア・機材などに自動分類(セグメンテーション)し、一部はCADで取り扱える3次元形状モデルを抽出(建具・設備モデリング)することも可能だ。

これにより、建物が通常稼働中でも3次元情報を取得することができ、3次元復元結果はWebブラウザやタブレット端末での閲覧、遠隔地にいる関係者との共有が行える。

さらに、修繕や改修で変化する建物のデジタルデータの更新にも活用できる。
加えて、AI技術の活用により、取得した点群・画像の統合、そこからの3次元CADモデルの生成、またデジタル建物の中でさまざまに行われる計測・計画・シミュレーションを支援する機能などが開発された。
例えば、デジタル建物の上で熟練者がバーチャル計測調査した結果や、シミュレーションに基づいた大型機材の搬入計画は、それ自体のデータをAIに学習させることができる。

結果、工事目的に応じた的確な計測支援や、周囲のリスクを考慮した精度の高い搬入ルートを、デジタル建物自身が提案できるようになる。
今回の実証実験でリコーは、有償で顧客の現場の撮影代行、データ処理、Webビューアへのアップロード、備品台帳とデータの紐づけを行う。

まずは、建設現場における遠隔での情報共有や、建物維持管理業をはじめとした建物の現場に課題を抱える顧客が利用し、価値検証を実施する。
なお、現在上記技術に加えて、1秒で全方位のカラー情報と距離情報を取得できる小型・軽量デバイスを開発中だ。

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