株式会社大林組とKDDIスマートドローン株式会社は、Starlinkと自動充電ポート付きドローンを活用し、現場監理業務を削減するシステムを開発し、実証実験を行った。
この実証実験で両社は、自動充電ポート付きドローンが目視外で自律飛行し、建設現場および既存インフラの巡視、点検、計測、異常検知を自動で行うことができるドローンシステムの開発を行った。
そして、三重県伊賀市の川上ダムに自動充電ポート付きドローンを設置し、開発したシステムでドローンを自律飛行させることで、ダム建設における現場監理の効率化に資するかの検証を実施した。
具体的には、KDDI株式会社が提供する衛星通信「Starlink」をバックホール回線としたauエリア構築ソリューション「Satellite Mobile Link」による通信環境の整備を行った。
そして、自動充電ポート付きドローンによる、定期的な監視・測量フライトの実施し、地震発生時を想定した、自動充電ポート付きドローンによるダムおよび貯水池の状況把握を行った。
また、撮影した写真を基にした3次元点群モデルの生成と、大林組が活用する技術「CPS(Cyber Physical System)」で管理を行い、撮影した画像のAI画像判定による建設現場の進捗状況を判定した。
その結果、建設現場および既存インフラの巡視、点検、計測、異常検知を自動で行うことができ、建設現場監理者の日常的な管理業務を削減することができた。
具体的には、従来であれば工事事務所からの移動時間も含めて345分かかる業務を、今回のシステムを使うことで60分で実施可能となり、80%の削減ができることが確認された。
今後、全国の大規模建設現場への導入を目指し、システムの検証を進めていき、複数のドローンを同時に管理する検証を実施する予定だ。
なお、この実証実験は、官民研究開発投資拡大プログラム(PRISM(プリズム)の「建設現場の生産性を飛躍的に向上するための革新的技術の導入・活用に関するプロジェクト」に採択され、実施しているものだ。
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