竹中工務店は、ゲームAIと同社が蓄積してきた人流計測データを活かした研究成果を用いて、現実に近い形で人の行動を再現し、建物の建築計画や設計プラン、什器等の配置計画に合わせて建物完成後の使われ方をシミュレーションすることができる「人流シミュレーションシステム」を開発した。
「人流シミュレーションシステム」では、シミュレーション結果を建物設計図の3Dモデルの中で共有することが可能だ。
大きな特徴は、人の行動を現実に近い形で再現できることだ。竹中工務店がこれまで蓄積したリアルな人の流れである人流計測データをベースに、研究成果として得られたノウハウとゲームAIを組み合わせることで、人間のように考え行動を行うシミュレーションを実現した。
なお、ゲームAIとは、ゲーム内のキャラクターが実際の人間らしく、自身の周囲を知覚・記憶・思考して振る舞うための機能のことだ。
これにより、性別、年代、趣味趣向などの要素を組み込み、さまざまな行動の統計値や計測値を反映した動きが再現できる。
また、通路幅や展示物の配置変更、混雑緩和などのプランを検討する際、顧客との合意形成をスムーズに行うことができる。なお、すでに複数のプロジェクトで活用されているとのことだ。
例えば、面白い展示物の前で立ち止まったり、疲れた時に休憩したりといった人々の自然な行動を、シミュレーション目的に合わせて様々なパターンで現実に近い形で再現・可視化することが可能だ。
シミュレーション事例としては、展示施設における計画段階での活用例が挙げられており、各パターンでの混雑具合を視覚的に共有し、入場口やアプローチ通路幅などの計画の決定に役立ったのだという。
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