厚生労働省が発表している労働災害発生状況によると、2022年に発生した国内建設業の労働災害では、墜落や転落によるものが最も多く、死亡者数は116人、死傷者数は4,594人に上った。
この事態を受けて、厚生労働省は労働安全衛生法の改正を行い、高所作業で使用する安全帯の規格をフルハーネス型を原則とし、名称を「墜落制止用器具」に改めるなど、安全基準を厳格化した。
こうした中、西尾レントオール株式会社は、株式会社奥村組と株式会社日立ソリューションズが共同開発したAIによる安全帯不使用者検知システム「KAKERU」のレンタルを、2024年2月より開始する。
「KAKERU」は、画像認識AIを活用して鉄骨上作業における墜落制止用器具(安全帯)のフックの不使用者を自動で検知し、一定時間フックが使用されない状態が続いた場合には通知をするシステムだ。
前学習済のAIモデルを活用し、建設現場のカメラ映像から親綱支柱や親綱、フックを検出し、フックが親綱にかかっていない不使用状態を自動判定する。

奥村組の建設現場での検証では、鉄骨上作業におけるフック不使用者を90%以上の精度で認識できることが確認された。
これにより施工管理者は、遠隔地からでも作業員の不安全行動を検知し、適切に管理することが可能だ。また、不安全行動の映像はクラウド上に保存されるため、作業員への安全教育や事故の傾向分析など、墜落転落事故の発生防止に活用できる。
西尾レントオールは、レンタルを活用することで、現場導入のハードルを下げるとしている。
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