鋼製連壁やRC連壁といった地中連続壁工法で使用する安定液「泥水」の品質管理は、多くの試験を毎日1~2回実施し、品質を確保している。しかし、これらの試験は現場技術者が行うため、測定者による結果の誤差や時間のかかる試験、対応の遅れなどの問題があった。
そこで西松建設株式会社と株式会社三央は共同で、安定液の品質管理を自動化する「品質管理自動計測システム」を開発した。
今回発表された「品質管理自動計測システム」は、細管式粘性測定装置および密度計等から構成されており、ファンネル粘度及び比重を現場で自動に連続計測できるシステムだ。
ファンネル粘度計測の流れは、細管式粘性測定装置の細管に循環槽から安定液を一定流量で連続供給し、細管前後の圧力を測定し差圧を検出。そして、手動で予め測定・把握済みのファンネル粘度と差圧の関係式から算出される。
また、比重測定の流れは、循環槽内の安定液を密度計により自動で連続的に計測する。
ファンネル粘度と比重の結果は、下図のように計測PCの画面に表示される。
また、時系列グラフの表示も可能で、現場事務所など試験場所と離れた場所でも見ることが可能だ。
今後両社は、このシステムで計測した各試験結果を、現在開発中の「安定液品質管理ソフト」と組み合わせることで、経験の浅い職員でも安定液品質の評価ができるようにする計画だ。
また、安定液を使用する場所打ち杭や、泥水式シールド工法における品質管理への適用も可能で、これらの工法への展開も目指すとしている。
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