大阪ガスネットワーク株式会社では、道路に埋設されているガス管付近で上下水道や電気など、自社以外の事業者による掘削工事(以下、他工事)が実施される場合、掘削時に付近のガス管を破損されないよう事前協議をしている。
一方で、同社への連絡なくこれらの工事が実施されるケースがあり、破損された場合に影響の大きいガス管が埋設されている道路では、パトロールを行い、連絡のない他工事の発見を行うことで、ガス管の破損防止を図っている。
こうした中、大阪ガスネットワークは、2021年6月より業務の生産性向上及び保安品質の向上を目的に、「工事現場をAIで自動認識する車載カメラ」(以下、AIカメラ)を搭載した路線バスによるパトロールを開始している。
点検員が毎日パトロール車で所定のルートを1日かけてチェックしていた業務を、AIカメラを搭載した路線バスが代替することで、生産性を向上させる。

路線バスは同一路線を一日に複数回走行するため、巡回頻度も高まり、人の巡回時間外で見つけられなかった他工事によるガス管の破損リスクが低減するという。
AIカメラを搭載した路線バスによるパトロールを導入した地域では、運用開始前と比較し、2023年度は約4倍の連絡なし他工事が発見されたのだという。
そして今回、大阪ガスネットワークは、3社目となる神姫バス株式会社の路線バスを用いて、AIカメラを活用したガス管パトロール業務の運用を開始したと発表した。
これにより、AIカメラを搭載した路線バスが走行中に撮影した画像の中から、AIが工事である確率の高い画像を抽出し、事務所で画像をチェックするオペレータが連絡のない工事かどうかを判断する。

今後大阪ガスネットワークは、同社の都市ガス供給区域内での運用拡大を目指し、他の路線バス運営会社と協議を行っていく予定だ。
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