Kii株式会社は、KiiのIoTクラウドプラットフォームがSmart Earth Network(以下 SEN) とCommunity Centered Conservation(以下 C3)によりジュゴンの「種の保存」に活用された事を発表した。
Kiiは、地域のジュコンの生息数を監視し把握するためにフィリピンで地元の漁師と取り組む野心的な「市民科学」プロジェクトに協力している。プロジェトを実行しているSEN及びC3と連携し、スマートフォンをもった漁師が、位置情報付きのジュゴンの画像をアンドロイドアプリ経由でアップロードできるクラウドプラットフォームを提供している。
「海の牛」として知られているジュゴンは東アフリカから西太平洋に渡る海に棲息する海洋哺乳類で、現在、国際自然保護連合(the World Conservation Union, IUCN) によって「危急種」に分類されている。地域での漁獲、棲息環境の破壊から密漁に至るまで、様々な危機にさらされている。
C3のクリス プニアンはこう述べている。
「これまでは、我々はこれら素晴らしい海の生き物を空中から観察する必要がありました。費用がかかる上、信頼性の高い方法ではありません。絶滅の危機にさらされている種をモニターするのにスマートフォンを使うというのは、革新的かつ新しいやり方です。この種のプロジェクトの中でスマートフォンを採用するのは、この共同プロジェクトが初めての試みの一つです。これが成功すれば、このやり方は世界中で希少な種の調査に応用できるかもしれないと考えています。この”市民科学”と呼ばれる分野は、限られた資源で絶滅の危機にさらされている種をモニターする事において成長中なのです。
我々が開発し、試しているスマートフォンアプリは、世界のどの場所のどんな種をモニターする目的にも使え、専門家でない観察者から有用な科学的データを生み出す可能性を秘めています。またこれを使うことで、地域のコミュニティに関わり、海に実際に出て最もジュゴンの近くにいる漁師達の協力を得ることができるようになります。これはとても意義深いことです。」
フィリピンのブスアンガ地域での試みの一部として、およそ30人ほどの漁師がすでに地域の携帯電話事業者、Cherry Mobileから支給された基本的な機能を持つスマートフォンを持たされている。漁師達は海に出て、彼らが見つけたジュゴンを写真に収め、陸に戻ればSENが開発したアプリを用いて、Kii Cloud に設置されたデータベースにアップロードする。読み書きができない人も多い漁師達は、スマートフォンの使い方の訓練を受けており、充電設備も供給されている。
GPSを用いる事で画像にはジュゴンの位置が記録されており、C3はその情報を地図に落とすことで、その区域での生息数や、目撃のタイミング、移動のパターンなどについて、より明確に知ることができ、また将来の保護区域として推薦する地域が決定可能になる。今後はデータを他の世界中の自然保護活動家と共有し、そしてC3の地方政府へのロビー活動の一助とするため地元の開発会議とも共有する予定だ。
自然保護のためのプラットフォームとアイデアを共有するためのテクノロジーや、ネットワークを提供し、革新的なソリューションを開発したSENの創業者、サイモン ホドキンソンは、このアイデアは単純だが効果的なものだと信じており、このように述べている。
「新しいモバイルテクノロジー、とりわけIoTは、特に世界のより離れた場所において、自然保護活動の費用を削減し、歩き回る苦労を減らしてくれた。このプロジェクトはまだ初期段階であるにも関わらず、地域コミュニティからの反応はとても好意的なもので、我々はすでにデータから初期の結果を得始めている。」
【Smart Earth Network について】
自然保護活動家と科学技術者がアイデアを共有し、知り合い、地球上の問題への解決策を生み出すためのプラットフォームを提供する団体で、大学、政府、NGO、私企業、問題意識をもった市民などのメンバーで構成されている。
【C3について】
2002年にパラオで、海洋環境コンサルタントの国際的なグループによって設立された。若くてダイナミックな組織で、ユニークな草の根運動を行っており、World Conservation Union, IUCN の活動的なメンバーだ。
【関連リンク】
・Kii
・Smart Earth Network
・Community Centered Conservation
・国際自然保護連合
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