深層学習やバンディットアルゴリズム(※)、強化学習など推薦・検索アルゴリズムの技術は、日々目覚ましい発展を続けている。特にEコマース事業においては、近年ますますスピードが上がっている顧客やマーケットの移り変わりに対応できるよう、より効率的に効果の高いアルゴリズムや施策を探究・開発し、サービスを改善していく必要がある。
一方で、そのような高度なアルゴリズムをサービス環境に導入するには膨大な人材・実装コストが必要となるため、アルゴリズムの性能を実サービス環境で評価することが難しいという問題がある。この問題を解決する手段として期待されているのが因果関係を考慮した機械学習である。
ZOZOテクノロジーズの研究開発組織であるZOZO研究所では、米イェール大学成田悠輔助教授とアルゴリズムの性能評価の手法に関する研究を進めている。そして今般、ZOZO研究所は大規模ファッション推薦データと研究基盤となる「Open Bandit Data & Pipeline」をオープンソースとして公開した。
Open Bandit Dataは、ファッション通販サイト「ZOZOTOWN」上での実際の推薦アルゴリズムから取得された2800万件超のファッション推薦データである。合わせて公開するPipelineは、新しい施策・アルゴリズムを実サービス環境に導入した際の性能を予測し、その正確さの検証も行うことができる基盤実装である。今回公開する基盤は、ZOZOTOWNのマーケティング施策にも既に導入されており、クリック率や購買率の増加を実現したという。
※ バンディットアルゴリズム:探索と活用をバランスよく行い、複数の候補の中から最適なものを選択することで、購買のような報酬を最大にすることを目指すアルゴリズムのこと。ZOZOTOWNサイト上のファッションアイテム推薦の自動化のために用いられている。
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