従来、8K映像の送受信のためには、高価な専用機器の導入、機器の設置スペースおよび電源の確保が必要であり、手軽に利用することは困難だった。
近年、5Gサービスの本格展開に伴い、超高速・大容量という5Gならではのメリットを享受するため、端末機能も進化し、8K映像コーデック対応のGPUを搭載したスマホが普及しつつある。
これにより、これまで家庭でのテレビ視聴に制限されていた8Kコンテンツを、モバイル端末での視聴・撮影が可能となってきた。
本日KDDI総合研究所は、スマートフォンで撮影した8K高解像度映像のライブ伝送が可能な遠隔作業支援システムを開発したことを発表した。
設備点検や製造ラインの作業現場のように、微細な情報のやり取りが必要となるケースにおいても、8K映像を活用した遠隔からの支援ができるようになった。
作業者(送信)側は、スマホを装着するだけで現場の微細な状況を8K映像として遠隔に中継することができ、遠隔支援との併用による正確な業務遂行が可能となる。
指示者(受信)側は、PCで8K映像を視聴するが、8Kディスプレイを内蔵しない安価なハードウェア環境においても、デコード処理や注目領域の高精細表示処理をGPU内部で完結させることにより、8K映像の特長を活かした細部の確認ができる。
開発したシステムのうち、作業者側は8K対応スマホを活用するが、8K映像送信システムに超高速5G伝送の特性に最適化した送信制御と、過負荷を抑制するための負荷制御を導入することで、受信映像の品質低下と遅延増大を抑えると共に、安定した8K映像伝送を実現したという。
今後は、8K映像伝送に対応した「VistaFinder Mx」を、2021年8月以降に発売の開始を予定している。
また、送信制御や負荷制御の研究成果を、KDDI総合研究所で開発するMPEGライブラリMP-Factoryや遠隔作業支援システムVistaFinder Mxでの実用化を目指している。
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