スイスのu-blox AG(日本法人:ユーブロックスジャパン株式会社)は、ロボット芝刈り機、電動スクーター、シェアサイクルなど、低速で移動するユースケースに堅牢なセンチメートル級の測位が可能なZED-F9R測位モジュールのファームウェア・アップデートをリリースした。
ZED-F9Rセンサーフュージョン・モジュールを搭載したu-blox ZED-F9R-02Bは、簡単で効率的な実装が必要で、密集した都市などの厳しい信号環境でも高精度の測位データへの迅速なアクセスが重要となる、自律型産業用アプリケーションでの使用を目的に設計されている。
ZED-F9Rは、u-blox F9マルチバンド全地球測位システム(GNSS)レシーバー・プラットフォームを使用して、最大4つのGNSS衛星群を同時に追跡する。このモジュールは、リアルタイムキネマティック(RTK)技術を応用してセンチメートル級の精度で測位データを生成するという。
高精度なGNSS測定値は、モジュールの慣性測定ユニット(IMU)からのデータ、GNSS補正データ、オドメトリ(走行距離)情報、および車両ダイナミクス・モデルと融合され、GNSS単独ではできない状況でも優れた測位精度を提供する。レシーバーは、ロボット芝刈り機、電動スクーター、および自動車向けの動的モデルを搭載している。
また、ZED-F9R-02Bは、状態空間表現(SSR)フォーマットでブロードキャストされるu-blox GNSS補正データ・サービスを統合し、迅速な市場投入が可能な測位ソリューションの提供を容易にする。
ロボット芝刈り機の場合は、低速でも推測航法システムをキャリブレーションするこのモジュールの機能により、優れた測位精度の達成が可能になるとしている。モジュールのより高精度な測位データにより、エンドユーザーは境界線を示すワイヤーではなくソフトウェアを使用して芝刈りエリアを正確に区切ることができ、立木や低木を避けて、複雑な形状の芝生にロボット芝刈り機を配備できる。
これらの機能を組み合わせることで、製品設計者はこのモジュールを使用して、初期費用や境界線を示すワイヤーの設置費用なしで複雑な環境で動作する「サービスとしてのロボット芝刈り」が可能な芝刈り機を作り上げることができるとのことだ。
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