一般的な熱中症情報は、一年中全国一律の基準でWBGTの値からランク分けしており、時期やエリアによる熱中症の発生傾向の違いは考慮されていない。しかし、同じ気温でも体が暑さに慣れてきた夏とそうではない梅雨や、東北と関東など住んでいるエリアの違いによって、熱中症のなりやすさが異なる。特に梅雨明け直後は、体が暑さに慣れていないため熱中症になる人が多いと言われている。
株式会社ウェザーニューズによると、2021年の夏は平年より厳しい暑さとなり、7月下旬~8月初めと8月下旬が暑さのピークとなる予想だ。特に梅雨明け直後は、体がまだ暑さに慣れていないのに気温が急上昇するため、熱中症に注意が必要となる。
このほどウェザーニューズは、WxTechサービスにおいて、1kmメッシュの「熱中症情報API」の提供を開始した。
同サービスは、1kmメッシュの暑さ指数(WBGT)をもとに独自に算出した熱中症危険度情報である。72時間先までの1時間ごとの熱中症リスクを「注意」「警戒」「厳重警戒」「運動中止の4段階で提供する。1kmメッシュで熱中症情報のデータを取得できるのが特長だ。
また、クラウドを経由してAPIなどでデータを提供するため、企業システムとの連携が容易だ。企業は数地点から全国約38万地点まで、必要な地点の緯度経度を設定しておくことで、任意のタイミングでデータを自動取得できる。取得データは、熱中症への注意喚起や関連商品の販売促進など、様々な用途に活用できる。
企業のシステムと連携することで、屋外作業員の健康管理から食品・飲料メーカーのマーケティングまで活用できる。例えば、熱中症リスクの高いエリア・時間帯の屋外作業員や観客に向けて、休憩や水分補給、扇風機の活用を呼びかけるなど予防策に活用できる。
そのほかにも、企業は熱中症情報と熱中症搬送者数のデータを組み合わせることで、AIを用いた搬送者数予測などのシステム開発に利用することもできる。食品・飲料メーカーや小売事業者の場合は、アプリユーザーに対してスポーツドリンクなど関連商品の購入でスタンプ2倍などの熱中症対策キャンペーンを実施できる。
さらに、天気アプリ「ウェザーニュース」で1kmメッシュの熱中症情報と連動した広告「天気連動広告」を配信することもできる。天気連動広告は、気象データとアプリのユーザーの位置情報とアプリの利用情報を分析したユーザーインサイトをもとに、現在地の気象状況に応じた広告をウェザーニュース内で自動配信できるサービスである。
熱中症のリスクが高いエリアに配信先を限定し、リスクが高まる時間帯に広告出稿することができる。ユーザーがいる場所のピンポイントな熱中症情報に合わせた出し分けで、広告効果の向上が期待できる。
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