昨今、デジタル化の進展により、インターネットトラフィックは急増しており、顧客に対して主にインターネット接続環境を提供する事業者である、ISP間を接続するIX(インターネットエクスチェンジ)において、交換されるトラフィックも同様に増加を続けているという。
そうした中、インターネットマルチフィード株式会社(以下、マルチフィード)は、2012年7月より提供しているIXサービス「JPNAP」にて100ギガビットのインタフェースを提供し、株式会社インターネットイニシアティブ(以下、IIJ)、NTTコミュニケーションズ株式会社(以下、NTT Com)は、100ギガビットインタフェースを用いた接続を利用していた。
しかし、インターネットトラフィックの増加により、100ギガビットインタフェースを複数束ねて接続するケースも増え、より広帯域なインタフェースの早期提供が求められていた。
また、多数の事業者が接続するIXにおいては、異なる製品間の相互接続性が重要であり、実利用を想定した形でこれを検証する必要があったという。
そうした中マルチフィードは、IIJおよびNTT Comとともに、400ギガビットイーサネットを用いたIX相互接続実証実験を実施し、成功したことを発表した。
今回の実証実験では、アリスタネットワークスジャパン合同会社、シスコシステムズ合同会社、ジュニパーネットワークス株式会社の、400ギガビット対応ルータ・スイッチを相互に接続。IXで400ギガビットインタフェース(400G-FR4および400G-LR4)を適用したときの、物理レベル・ネットワークレベルの相互接続性、光スイッチとの相互接続性、経路制御の相互接続性、400ギガビットのトラフィックを流した時の性能などを確認する実験が行われた。
実証実験の結果、400ギガビットイーサネットはIXにおける相互接続性や性能面において、商用提供が可能な品質であることが確認された。
この成果を受けて、今後、IXにおける400ギガビットサービスの提供および、ISPや、様々なデジタルコンテンツをインターネットを通じてユーザに提供するCSPなどによる、IXでの400ギガビットイーサネット利用の推進、IX接続ポートの広帯域化・集約による運用性やコスト効率の向上が期待されている。
また、IXにおいて、より広帯域でのインターネットトラフィックの交換が可能となる。
今後マルチフィードは、IXサービス「JPNAP」における400ギガビットサービスの提供に向けた検討を進め、2022年度内のサービス提供を目指すとともに、IXサービスの強化・拡充を進めていくとしている。
また、IIJ、NTT Comは、今回の技術導入検討を進めていく予定だ。
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