日本電気株式会社(以下、NEC)とトヨタテクニカルディベロップメント株式会社(以下、TTDC)は、工場や倉庫内における自動車などの移動体と、安定的な無線接続を実現する無線制御システムを開発した。
このシステムは、「NEC 無線通信安定化ソリューション」を活用したTTDCの無線通信モジュールを、自動車や搬送機器(AGV)などの移動体に搭載することで、移動体との無線通信で問題となるローミング時の切断や干渉による通信不良の発生を防ぎ、安定した通信が可能となる。
NECが保有する技術により、アクセスポイントの強度および、帯域の混雑度などを考慮して利用可能な帯域をリアルタイムに推定。これにより、受信レベルや無線の混雑度が変化する無線環境においても、安定した通信が可能となる。
また、無線通信区間全体を仮想化し、仮想化されたネットワーク上で通信経路を切り替えることで、アクセスポイントの高度な機能を用いることなく無線接続を安定化させている。
これにより、既設のアクセスポイント・ネットワーク設備を活用したまま導入することが可能だ。
基板サイズは72mmx44mmと小型で、様々な移動体に搭載することができる。

このシステムは先行してトヨタ自動車元町工場に導入されており、両社はこうした知見を活かし、製造業におけるAGV・工作機械・ロボットなどの無線制御や、検査データの収集、プログラム配信を行うシステムの提供を目指すとしている。
なお、2022年5月25日〜27日に東京ビッグサイトにて開催される「ワイヤレス・テクノロジー・パーク(WTP)2022」に、このシステムが展示される予定だ。
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