Wi-Fiの新たな通信規格「IEEE802.11ah(Wi-Fi HaLow)」は、920MHz帯の周波数帯域を利用する通信手段のひとつで、特にIoTの通信システムとしての活用が期待されている。2022年9月に総務省の無線設備規則の一部を改正する省令が告示・公布され、日本国内における920MHz帯でのIEEE802.11ahの利用が可能になった。
株式会社フルノシステムズは、無線LANアクセスポイント「ACERAシリーズ」の新製品として、IEEE802.11ah対応の新機種「ACERA 330」を開発し、2022年12月下旬より発売開始予定と発表した。
ACERA 330は、IEEE802.11ah規格の搭載により、半径約1キロメートルのエリアをカバーできるため長距離のデータ伝送が可能となった。そのため、IoTにおいて利用されているLPWAの新たな通信手段として活用することができる。
広範囲の通信以外にも、IP(インターネットプロトコル)通信ができることや、最大値1.5Mbps(理論値)の通信速度により画像・映像の伝送が可能であること、従来のWi-Fiと同様にアクセスポイントなどの機器を購入してネットワークを構築できるといった特徴を備えている。
また、動作温度はマイナス20℃から60℃までの広範囲に対応し、防塵・防水性能は「IP55」に準拠することで、従来より高い耐環境性を実現する。オプション機能としてソーラーバッテリーを追加搭載すれば、電源の確保が難しい場所での設置も可能となる。ACERA 330はクラウドで管理できるため、遠隔でのネットワーク構築に対応している。IEEE802.11ahに加えて、従来のWi-Fi規格(IEEE802.11n/b/g)やBLE(Bluetooth Low Energy)も実装している。
フルノシステムズは、ACERA 330の販売台数目標として5,000台/年間を掲げている。
無料メルマガ会員に登録しませんか?
IoTに関する様々な情報を取材し、皆様にお届けいたします。