国内にマンションは670万戸以上存在している。居住者数では1,500万人を超え、国民の1割超がマンションに居住している推計になる。そのマンションには多数の共用設備があり、居住者の快適な生活には不可欠となっている。
一方で設備管理を担う管理会社においては、点検業務員の人手不足、人件費などの労務コスト、保守部材の高騰が合わさり管理費・修繕積立費の未払いや値上げ交渉などが課題となっている。また、昨今多発する局地的な豪雨や猛暑といった高負荷の局面では機械設備がダメージを受けやすく、予想よりも早く故障してしまう可能性がある。
同システムでは、給水排水ポンプ・配管設備・共用電灯盤などの共用設備監視に各種センサーを取り付けると、稼働状態をリアルタイムでモニタリングでき、蓄積されたデータをトレンド分析することで設備負荷による故障可能性を予見し、予知保全にも役立てられるため、設備の長期間安定稼働に貢献する。例えば、振動センサーでは動力モータ部の揺れ具合を検知し、電流センサーでは設備毎の実効電流値、漏水センサーは配管ジョイント部の水漏れを検知する。
普段の計測で異常値を検知した際は、管理者へアラートメールを通知させることができる。24時間監視することで設備の稼働傾向も分かり、定期点検外でも予防保全を管理組合へ提案することが可能となる。定期点検を待たずに普段から監視することで、施設の維持保全サポート体制を強固にする。
また、共用設備が設置されている機械室の鉄扉を通過させることは、一般的な無線通信方式では現実的に困難だが、エヌエスティ・グローバリストの250mW高出力無線であれば、鉄扉内部からのデータ通信が実現する。さらに、12段ホップでマンション全体を網羅できる有効な無線手段になるという。
そして、センサーによる監視サービスのスタンダードプランに加えて、プレミアムプランではマンション設備の現場状況をカメラで撮影しクラウドで静止画を記録、設備の状況変化を画像で確認することもできる。
さらに同システムには、無線出力20mWの標準タイプのほかに、電波の届きにくいとされる地下の駐車場やボイラー室等から地上までの通信にも、無線出力を250mWに無線電波出力を増強した高出力タイプでカバーする2種類が用意されている。12段ホップ機能で、マンション全体を隅々まで網羅させるネットワーク構築が実現するという。測定したセンサーデータはLoRaを用いた無線通信で送信するため、導入にあたって新たな配線工事が不要となり導入コストを削減する。
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