三菱電機が学習モデルを自動設計しコンパクト化する「量子機械学習技術」を開発、高性能化を実証

近年、量子アルゴリズムを活用し、様々な分野でのビッグデータ解析やAI開発などの進展に寄与することが期待されている。

一方、AIでの進歩が著しい深層学習モデルにおいて、現在普及しているコンピューター上で動作するように設計された機械学習「古典機械学習」は、優れた推論性能を達成できるものの、所要計算規模が膨大になることに加え、学習データが限られる際に十分な性能を発揮できないといった課題があった。

そこで、三菱電機株式会社は、学習モデルを自動設計して最適化することで、計算規模をコンパクト化する量子機械学習技術を開発し、テラヘルツ・イメージングでの高性能化を実証した。

今回開発した量子機械学習技術は、少ない量子ビット数で多くの情報を同時に処理できる量子コンピューターの特性と、従来の古典機械学習と組み合わせている。

これにより、電波のような高い透過性と光のように優れた直進性をもつテラヘルツ波の特長を活かした、物体の透視イメージングによる非破壊検査や、電波を利用して人の動きや室内環境を把握する無線室内モニタリング等の幅広い用途に適用することができる。

また実証では、この技術が非破壊テラヘルツ検査、無線室内モニタリング、圧縮センシング、生体信号処理などの複数の分野で高性能化に寄与することを確認した。

三菱電機が学習モデルを自動設計しコンパクト化する「量子機械学習技術」を開発、高性能化を実証
適用用途のイメージ

なお、この成果は、国際会議IEEE Global Communications Conference(GLOBECOM)2022のTutorial Sessionにて紹介される。

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