凸版印刷株式会社は、モニタや撮影データ上で適切な色を再現するクラウドサービス「ColorSeeker(カラーシーカー)」と「CAM-FIT(カムフィット)」を開発した。
「ColorSeeker」と「CAM-FIT」は、色の正確性が求められるオンライン診療や美容カウンセリングをはじめとする、PCモニタ上の色確認・伝達などに関する用途へ向けて、2023年2月より本格的に提供を開始する。
「ColorSeeker」は、専門知識や特別な機材を必要とせず、「色相」「明度」「彩度」などのカラープロファイルをWebブラウザ上で作成でき、一般的なPCモニタで適切な色を再現することができるサービスだ。
使用モニタや照明などの環境に合わせて、凸版印刷が提供する色見本と、それに対応したモニタ上のデータ画面を比較しながら、ブラウザ上でカラープロファイルを調整することが可能だ。
「CAM-FIT」は、一般的な印刷物として提供可能なカラーチャートの色変換と、より精度が求められる皮膚や高品質な印刷物など特定の用途に向けて、対象物の分光反射特性を考慮した凸版印刷独自の高精度なカラーマネジメント技術を連携し、撮影画像データを精度高く変換できるサービスだ。
印刷したチャートに識別番号を付与し、予めチャートの色情報をクラウド上に記録する仕組みのため、パンフレットや、薬・化粧品などのパッケージ、冊子などにカラーチャートの印刷や挿入が可能。これにより、複数拠点でも利用しやすく、導入も容易に行うことができる。
従来のカラーチャートを用いる手法を独自に発展させ、対象物に光が当たった際の反射強度の違い(分光反射特性)を考慮したカラーマネジメント技術を活用することで、皮膚や印刷物など特定の用途に特化した高精度な色再現も可能。
ユーザが専用チャートと共に撮影した画像をクラウド上にアップロードすることで、適切な色変換の設定を作成することができる。また、スマートフォンなど一般的なカメラで撮影した画像にも対応している。
これら「ColorSeeker」と「CAM-FIT」2つのサービスを組み合わせて導入することにより、色確認が可能なモニタの選択肢拡大と撮影画像データの適切な色変換を容易にし、モニターの色再現に関わる入力・出力の環境整備を実現する。
モニタと撮影データの双方での色再現性を高め、患者の顔や患部の色を適切に確認し、診断する必要がある医療現場のオンライン診療や、美容業界のオンラインカウンセリングの普及など、印刷領域にとどまらない様々な用途での活用を推進する。
今後凸版印刷は、医療分野においては、オンライン診療のみならず、凸版印刷が提供する感染症情報管理アプリ「PASS-CODE」と連携した検査キットの画像判定などにもサービスの活用を目指しすとしている。
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