凸版印刷株式会社は、2021年より、最長で約2,000m離れていても通信が可能な、資材管理向けアクティブタグ「ZETag(ゼタグ)」を提供している。
そうした中、本日、「ZETag」のリニューアルを行い、LPWAの規格のひとつである次世代ZETA規格「Advanced M-FSK変調方式」に対応した新型「ZETag」を開発し、2023年6月より製造業や物流業界に向けて試験提供を開始することを発表した。
「ZETag」は、ボタン電池で駆動し、固有のID情報を自ら発信するアクティブ型のタグだ。
パッシブ型RFIDタグで必要とされているリーダによる読み取り作業や、アンテナ内蔵ゲートの通過といったプロセスを経ることなく、広い倉庫や屋外でパレットやカゴ車などの所在を自動的に管理することが可能だ。
今回開発された新型「ZETag」は、株式会社ソシオネクストが提供するLSI「SC1330A」が搭載されており、次世代ZETA規格「Advanced M-FSK変調方式」に対応。データの誤りを訂正する符号化技術でノイズ耐性を高め、多値化変調処理で通信できるデータ量も増加した。
従来品と比較して10倍以上(10dB以上)の感度と、20倍以上の転送速度、500~4,000m(最長通信距離は従来品の約2倍)の通信距離を実現した。
これにより、従来は正確な電波周波数の読み取りが難しかった移動中のトラックへの取り付けにも活用することができる。
また、感度向上により、荷物や棚などの障壁により、電波が届きにくかったエリアでの読み取りや、少ない基地局でも利用することが可能となった。
ラインナップは、ユニークIDのみ送信する「標準版」、パッシブタイプのRFID(NFC/UHF)・温度センサを連携した「RFID搭載版」、GPS・温度センサを連携した「GPS搭載版」の3種類が用意されている。
![凸版印刷、通信距離約4,000mの新型「ZETag」を開発](https://iotnews.jp/wp-content/uploads/ZTA.jpg)
温度センサを組み合わせることにより、温度管理が必要な食品輸送などの場面で、トレーサビリティ情報と輸送時の温度記録も可能だ。
GPS搭載版は、屋外の広いエリアに置かれた資材の所在管理などのニーズに対応する。
また、標準版、RFID搭載版は従来より形状を変更。上部のフタ形状改良による防塵防水性能の向上と、天面のタグ取り付け穴を付加している。
加えて、新型「ZETag」からの通信データを管理する「ZETagDRIVE」を提供。「ZETagDRIVE」は、基地局が検知した新型「ZETag」の情報を収集・可視化・記録・管理するクラウド型の管理システムだ。
可視化の機能は、取得したGPS情報を元にしたマップ表示、拠点に存在する数量のリアルタイム表示などができる。
無料メルマガ会員に登録しませんか?
![IoTNEWS](https://iotnews.jp/wp-content/uploads/2020/02/logo_square_512.png)
IoTに関する様々な情報を取材し、皆様にお届けいたします。