Kontron Asia Inc.(以下、コントロン)は、商業・産業IoTアプリケーション向けに設計された「3.5インチ-SBC-EKL」の、一般提供を発表した。
この「3.5インチ-SBC-EKL」は、最新のインテル Atomx6000Eシリーズ、Celeron J6000およびN6000シリーズ、Pentium J6000およびN6000シリーズプロセッサ(コードネームElkhart Lake)を搭載しており、産業用途向けのインテルAtomx6212REおよびx6425RE、組み込み向けのインテル Atom x6211E、商用向けのインテル Celeron J6413の4種類のバリエーションを提供する。
その他のインテルSoCを使用したバリエーションは、後日提供予定だ。
このボードは、産業用および商業用のシステム開発者が、産業オートメーション、小売アプリケーション、スマートシティ、ヘルスケア機器、およびその他の類似アプリケーションに対応するリモートデバイス管理機能を備えた、コンピューティングの強化やリアルタイムコンピューティング、グラフィックス性能、および強固なセキュリティの要求を満たすIoTエッジデバイスを構築できるよう設計されている。
「3.5インチ-SBC-EKL」は、前世代のインテルSoCと比較して、CPU性能のアップグレードとグラフィックス性能が最大2倍向上している。
また、リアパネルにデュアル4K60ディスプレイ対応のDisplayPortコネクタを2つ備えており、小売店や広告、公共端末、HMIアプリケーションに対応可能だ。
さらに、インバンドECC対応のデュアルチャネルDDR4 SO-DIMMメモリソケット、2.5GbE LANポート×2、USB 3.2 Gen-2コネクタ×4、SSDまたはHDDストレージ用のSATA 3.0 ポート×1を含む複数の機能を搭載している。
各モデルは、インテルTCC(Time Coordinated Computing)テクノロジー、TSN(Time-Sensitive Networking)プロトコルに対応しており、最大1マイクロ秒の精度で超高信頼性の低遅延イーサネット通信を実現することができる。
加えて、PCH内に統合されたARM Cortex-M7ベースの専用マイクロコントローラを使用するインテルプログラマブルサービスエンジン(PSE)をサポートしている。
このマイクロコントローラは独立して動作し、ボード上の2つのCANバスインターフェースに直接ルーティングされている。
このため、インターフェースは最大5Mb/sの速度でCAN FD(CAN with Flexible Data Rate)伝送をサポートし、センサ、アクチュエータ、コントローラなどのARMベースのエッジIoTデバイスとリアルタイムで応答性の高い通信を提供する。
3つのM.2拡張スロットは、それぞれSSD、WLAN、Bluetooth、WWANおよびその他のM.2拡張オプション用のキーB、キーEおよびキーMインターフェイスを備えている。
「3.5インチ-SBC-EKL」は、ボード間コネクタも備えており、システム開発者は要件やアプリケーションに応じて、I/Oポートや機能を追加するために、コントロン3.5インチ-eIOシリーズのドーターボードをスタックすることが可能だ。

他にも、インテルプラットフォーム・トラスト・テクノロジー(インテル PTT)、インテル AES New Instructions(インテル AES-NI)、インテル SHA Extensions、インテル Secure Key、インテル Boot Guardといったプロセッサが提供する統合セキュリティ機能に加え、TPM 2.0セキュリティチップを基板上に集積。
これにより、ユーザ認証、ネットワークアクセス、データ保護の管理に対して、より安全にハードウェアベースのアプローチを行うことができるようになった。
なお、「3.5インチ-SBC-EKL」は、-40℃から85℃までの幅広い動作温度に対応した産業用と、0℃から60℃までの温度範囲に対応した標準用の2種類がある。
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