日本ベクトン・ディッキンソン株式会社(以下、日本BD)は、基礎研究から臨床・診断用ソリューションの開発などに使用されているフローサイトメータ(細胞分離解析装置)に、画像解析機能を搭載した1次世代フローサイトメータ「BD FACSDiscover S8セルソーター」を、2023年7月に発売した。
フローサイトメータは、細胞や血球、微生物などが混濁した流動性のサンプルを、一列になるように機器内に流し、レーザ光を照射して、細胞や粒子の散乱光や蛍光を検出することで、一つひとつの細胞を解析したり、目的の細胞を取り出したりすることができる、細胞分離解析装置だ。
アカデミアや研究機関、製薬企業の研究開発部門、バイオベンチャーなどにおいて、免疫研究やがん診断、再生医療、ワクチン開発など、多くの研究・臨床現場で活用されている。
今回発表された「BD FACSDiscover S8セルソーター」は、78個の蛍光検出器と、5種類のレーザを用いたハイパラメータースペクトル解析モデルで、高精度かつ高速な細胞解析を可能にする。
また、6個の画像検出器からなる「BD CellView Image Technology」 を搭載したことにより、蛍光検出に加えて、画像(イメージング機能)による細胞の空間や形態情報に基づいた検出を可能にしている。
これまでは、細胞の空間的、形態的情報を観察する場合、対象となる細胞をフローサイトメータから取り出した後、顕微鏡で観察しなければならなかった。
「BD FACSDiscover S8セルソーター」では、蛍光検出と同時にデジタル画像によって、サンプル中の大量の細胞を一度に視覚的に確認することができる。
「BD FACSDiscover S8セルソーター」のスペクトル解析(※)とイメージング機能により、大量の細胞を一度に短時間で処理することに加え、細胞の増殖や働き、他の細胞との相互作用、また、細胞内のウイルスやタンパク質の正確な位置などを詳細に解析できることで、新たな発見に繋がることが期待されている。
※スペクトル解析:近似する蛍光色素間の波長の重なりを、それぞれの蛍光色素の波長へ分解することができるため、従来のフローサイトメータよりも同時染色できる蛍光色素の数が増える。これにより、多重染色解析において、類似した蛍光色素を用いて分離機能が向上する。
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