凸版印刷株式会社は、商品情報を管理できる低価格のUHF帯ICタグ「SMARTICS-U(スマーティックス・ユー)」シリーズを提供している。
そして本日、新たなラインアップとして、液体が入った容器の読み取り性能が向上した「汎用広指向性モデル」を含む計3モデルを開発し、製造、物流、医療・医薬業界に向け2023年10月より提供を開始することを発表した。
今回、新たに開発されたモデルは、電波干渉の要因となる液体が入った容器の読み取り性能を向上させた「汎用広指向性モデル」、様々な形状や小型のパッケージでも表示を隠すことなく貼付できる「小型・細型モデル」、ネットワークの利用制限などがある現場でICタグ側にロット番号の他、作業履歴情報などを記録できる「大容量メモリモデル」の計3だ。
「汎用広指向性モデル」は、独自のアンテナ形状により、広指向性能を持ち、ICタグアンテナと読み取りアンテナの位置関係が正対していない状態でも電波が回り込むことで、安定的に読取りが可能なモデルだ。
商品内部に液体が入った樹脂容器に直接貼り付けた状態でも、アンテナサイズが同じ凸版印刷の既存の汎用モデルと比較して、約4倍の通信距離での読取りを実現している。
液体入りの容器や密接した集合体でも、ICタグ自体の性能低減率を抑えている。これにより、医療・医薬品や化粧品など、液体入り容器の入出庫棚卸管理や、店舗内でのスマートシェルフなどの用途において利用することができる。

「小型モデル・細型モデル」は、凸版印刷独自のアンテナ設計技術により開発された小型・細型のアンテナを搭載し、小型や細型形状のパッケージでも表示を隠すことなくICタグを対象物に貼り付けることが可能なモデルだ。

「大容量メモリモデル」は、「汎用指向性モデル」のアンテナモデルに大容量メモリを搭載したICチップモデルだ。
NXP Semiconductors製のUCODE 9xmを採用することで、最大496ビットのEPCメモリ(GS1標準識別コードや独自のユニークIDを格納する領域)と、最大752ビットのユーザメモリを有している。
医療や製造現場では、ネットワーク環境の構築や利用制限などにより、オフラインでのシステム構築が必要な場合がある。それらの環境下でも運用可能な大容量のユーザメモリを持つICチップを使用することにより、オフラインにて大きな情報を伝達する媒体(データキャリア)として、ロット番号の他、作業履歴情報などを記録することが可能だ。
価格は、ロット1億枚の場合、各モデル1枚につき5円台からとなっている。
今後凸版印刷は、今回開発したUHFタグを含む「SMARTICS-U」シリーズを国内およびグローバルに拡販していくとともに、設計開発を進め、モデルのラインアップを拡充していくとしている。
なお、今回追加される「SMARTICS-U」シリーズは、2023年9月13日から15日まで東京ビッグサイトで開催される「第25回 自動認識総合展」の凸版印刷ブースにて展示される予定だ。
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