シャープ、「生理用ナプキンIoTディスペンサー」と「在庫管理システム」を用いた実証実験を開始

近年、女性特有の健康課題をテクノロジーによって解決する「フェムテック」への注目が集まっている。

「生理」に関しては、経済面や環境面など、さまざまな事情により生理用品を十分に入手できない人への支援の必要性が社会課題として顕在化したほか、外出先で急に生理が始まった際の生理用品の確保といった女性特有の困りごとが存在している。

また、全国の地方公共団体において、生理用品を無料配布する取り組みが広がっているが、行政窓口を中心とした配布は、必要な人に、必要なときに十分行き渡らせることが難しく、トイレ内での配布においては衛生面や大量持ち去りへの対策も課題となっていた。こうしたことを背景に、「フェムテック」による支援や課題解決への期待が、急速に高まっている。

シャープ株式会社は、生理用ナプキンを1枚ずつ取り出せる「生理用ナプキンIoTディスペンサー」と、各施設に設置した機器の利用状況を一元管理できる「在庫管理システム」を独自に開発した。これらを活用し、静岡県浜松市とともに、防災備蓄品を有効活用した生理用ナプキンIoTディスペンサー設置実証実験を、2023年10月1日~2024年3月31日の期間、実施する。

今回の実証実験では、生理用ナプキンIoTディスペンサーを、浜松市立高等学校など以下の4つの公共施設の女性用トイレ(一部多機能トイレ)の個室内に設置して行う。

  • 浜松市役所/昼用夜用1セット(2台)・昼用6台
  • 浜松市立中央図書館/昼用夜用7セット(14台)
  • 浜松市立高等学校/昼用夜用6セット(12台)
  • あいホール/昼用夜用3セット(6台)
シャープ、「生理用ナプキンIoTディスペンサー」と「在庫管理システム」を用いた実証実験を開始
生理用ナプキンIoTディスペンサー(昼用1台)
今回、浜松市が所有する、使用期限(推奨3年)までに活用されない可能性がある防災備蓄品の生理用ナプキンを無料で配布する。利用者は、必要なときにディスペンサーの扉センサー部に手をかざすことで、生理用ナプキンを1枚ずつ取り出すことができる。設置場所ごとの利用状況や在庫状況は、在庫管理システムにより一元管理される。

生理用ナプキンIoTディスペンサーは、会員登録などの手続きなく、必要なときにすぐ利用できる。生理用ナプキンを1枚ずつ取り出せる構造にすることで、衛生面への配慮に加え、大量持ち去りも防止する。昼用・夜用ナプキンをはじめ、経血量や使用状況に合わせて長さや厚さ・形の異なるさまざまな種類の生理用ナプキンに対応するので、種類や数量が変動しやすい防災備蓄品も有効活用できる。
シャープ、「生理用ナプキンIoTディスペンサー」と「在庫管理システム」を用いた実証実験を開始
また、在庫管理システムは生理用ナプキンIoTディスペンサーと連携し、管理者に生理用ナプキンを補充するタイミングを知らせる。生理用ナプキンIoTディスペンサーを設置している各施設での利用状況を一元管理できるので、効率的に補充作業を行うことができる。

同実証実験で収集するデータの分析などを通じ、浜松市とともに生理用品の効果的な配布場所や方法の検証を行うとともに、各種相談窓口の認知拡大にも取り組み、生理用品を入手しやすい環境づくりをめざす。

なお、同実証実験において、シャープは生理用ナプキンIoTディスペンサーの開発および製作、在庫管理システムの設計、データ分析を担当する。また、浜松市は防災備蓄品生理用ナプキンの提供および補充、市民アンケートの実施、各種相談窓口の周知を行う。

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