株式会社きんでんと株式会社日立製作所(以下、日立)は、デジタル技術を活用して、77kV送電ケーブルにおける接続技能者(以下、ケーブルジョインター)の早期育成を支援するソリューションの試行運用を開始した。
具体的には、77kV送電ケーブルの中間接続箱組立作業工程で、外部半導電層と絶縁層を規定された寸法に、ガラス片で切削してケーブル表面を鏡面状に加工する技能を対象としている。
今回は発表されたソリューションでは、技能研修中の社員(以下、訓練生)の手に、日立開発のセンサ付きグローブを装着し、グローブに内蔵された圧力センサ、マイク、慣性センサから得られる動作データによって、作業者の手の動きを定量化する。

そして、日立ときんでんが共同開発したアルゴリズムによって、個人の技能状況、仕上がり品質に直結する検知モデル(特徴量)10項目を抽出し、熟練技能者と訓練生のデータを比較・解析する。
加えて、ケーブルジョインターの動作と目線をカメラで撮影し、モニタリングする。データ解析結果として、切削状況の映像と同期した複数の検知項目について、改善するべき動作のポイント、技能の定量的評価、改善方法が提示され、技能を習得することができるほか、作業の標準化や品質の安定化につなげていくことが可能だ。

なお、2021年4月よりきんでんの電力支社送電工事部の技能実習において、このソリューションの共同実証を行っており、熟練の技能者から訓練生まで、20名(2023年9月末時点)の技能データを用いた定量的な技能評価(スコア化)および、改善すべき動作の可視化ができることが確認されている。
また、訓練生の自己訓練に注力し、そのデータや分析結果をクラウド上に格納、遠隔地の熟練技能者と同じデータを共有しながら指導を仰ぐ試みも開始している。
無料メルマガ会員に登録しませんか?

IoTに関する様々な情報を取材し、皆様にお届けいたします。