一般的に、花粉観測の方法は大きく二つあり、一つはガラス板に付着した花粉を顕微鏡で1日1回数えるダーラム法、もう一つは機械による自動観測だ。
ダーラム法では、スギ・ヒノキの花粉を見分けることが可能だが、観測に時間と労力がかかり、1日単位の飛散量しか把握できない。
また、観測場所も全国に約150か所程度と限定的だ。一方で、自動観測では花粉の種類を見分けることはできないものの、飛散状況をリアルタイムで把握することができる。花粉の飛散量や飛散エリア・時間帯は気象条件によって変化するため、飛散状況を時間的にも空間的にも詳細に把握することが重要だ。
そこでウェザーニューズは、全国各地の花粉の飛散状況を詳細に把握し花粉予測に活用するため、IoT花粉観測機「ポールンロボ」を一般家庭や病院、企業などに協力を得て、約1,000か所に設置し、今シーズンの花粉観測を開始した。
「ポールンロボ」は、ウェザーニューズが開発したIoT花粉観測機だ。通信機能を内蔵しており、電源がある場所ならどこでも観測が可能だ。
機械は直径約15cmの球体で、内部のファンで空気を吸い込み、空気中に含まれる粒子にレーザー光を当てることで花粉を認識しカウントする。
今年のシーズンからは、政府の花粉症対策に基づき花粉の表示ランクが変わり、「非常に多い」の上に「極めて多い」が新設された。
この新ランクに対応し、「ポールンロボ」は、目の色が「白」「青」「黄」「赤」「紫」の5段階で変化し、設置場所の花粉の飛散量を知らせる。観測したデータは、ウェザーニューズに1分ごとに自動送信され、花粉の飛散予測に活用される。
また、ウェザーニューズのアプリでは、「ポールンロボ」の観測データを利用し、花粉症対策に役立つ詳細な花粉情報を配信している。
花粉の飛散予報が1時間ごと・3時間ごとの時系列と、1週間先まで確認できるピンポイント飛散予報や、リアルタイム飛散状況などが利用可能だ。
飛散量の時間変化をより詳細に把握することで、花粉の多い時間を避けたり、飛散量に合わせて対策を強化したりすることが可能になる。
さらに、周辺の花粉症の方の症状の程度や、自分の花粉症の症状の特徴を診断できる機能も提供している。なお、ウェザーニュースアプリでも花粉の新ランクに対応し、大量飛散を示す「極めて多い」のランクを含めた5ランクで花粉情報を提供するとしている。
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