株式会社ZIPAIR Tokyo、株式会社エムティーアイ、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(以下、JAXA)は、航空機運航の被雷リスク軽減を目指し、気象データの軽量化と雨雲情報の可視化のための連携を開始する。
これまで、航空機のコックピット内では、電波干渉の観点から通信が制限されており、最新状況を確認できる気象サービスをネットワーク経由で利用することは難しい状況だった。
そこで今回、エムティーアイが提供する航空気象サービス「3DARVI」に、JAXAが開発した衛星全球降水マップ「GSMaP」を搭載し、新機能「IN FLIGHT(インフライト)モード」を開発した。「IN FLIGHTモード」は、気象データを軽量化して、飛行中に航空機のコックピットから最新の気象情報を確認できる機能だ。
エムティーアイの3D描画を活かし、容量の大きい3Dの気象データを大幅に軽量化。加えて、JAXAの「GSMaP」を搭載することで、衛星から検知した世界中の雨雲情報を上空でも確認が可能となる。
これにより、運航中に最新の気象情報を確認し、被雷回避などによる最適な運航ルートの選択を実施できるようパイロットをサポートする。
その結果、パイロットは飛行中のコックピットから最新の悪天候情報を確認でき、より安全な運航ルートを選択できるようになった。
「IN FLIGHTモード」は、2024年4月以降にZIPAIRでの運用を開始する予定だ。また、JAXAは、先端宇宙技術の活用による地球観測データの利用促進に取り組んでおり、「IN FLIGHTモード」に「GSMaP」を搭載することで、航空機の安全運航と飛行中作業の負担軽減といった課題解決を目指す。
今後、ZIPAIRとエムティーアイは、今回の取り組みを通じて航空機の被雷被害軽減における効果検証を行い、安全性の高い正確な運航サポートを目指すとしている。
また、「IN FLIGHTモード」の機能改善に繋げる。JAXAは、効果検証を通して得られるパイロットなどからのフィードバックを踏まえて「GSMaP」の改良や、新しい分野における地球観測データの利用促進を目指す。
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