株式会社マクニカは、「ペロブスカイト太陽電池」および「半固体電池」を使用した新型の空気質センサの開発を発表した。
ペロブスカイト太陽電池は、薄さ、軽さ、曲がる性質、そして材料による半透明性といった特性を持つ太陽電池だ。少ない光量でも発電が可能で、様々な場所で独立電源を得ることができる。
マクニカは、2022年から京都大学発スタートアップの株式会社エネコートテクノロジーズの「ペロブスカイト太陽電池」を採用した空気質センサの開発を開始し、2023年6月より東京都の執務室内で、屋内におけるペロブスカイト太陽電池の有効性実証事業を行ってきた。
この実証事業により、低照度下での使用、一定間隔での無線通信の必要性、設置場所の制限・制約、オフィス空間における違和感のない筐体デザインなど、「ペロブスカイト太陽電池」の実用化に向けた様々な課題・知見を抽出してきた。
そして今回マクニカは、実証事業から得た知見を活かし、新型の空気質センサを開発した形だ。このセンサは、従来製品よりも発電効率を高めた「ペロブスカイト太陽電池」を大面積で実装し、発電量を増加させることに成功している。
さらに、IoTセンサに必要な長寿命・安全性を確立するため、日本ガイシ製の「半固体電池」を採用し、センサ内に実装した。「半固体電池」は微弱な電力での細かな充放電が可能で、長寿命(高信頼性)を持つ蓄電技術である。
なおこの空気質センサは、昨年度から実証事業を進めている東京都庁の執務室内に2月下旬から設置され、空気質モニタリング(CO2、温湿度、照度)の計測を開始している。
今後このセンサは、マクニカが事業開始している空気質モニタリングソリューション「AiryQonnect(エアリーコネクト)」の一部として組み込まれる予定だ。

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