アムニモ株式会社は、低消費電力のAIアクセラレータチップを搭載したAIエッジゲートウェイ「AX11」を、2024年3月5日より発売する。
「AX11」は、ルネサスエレクトロニクス株式会社が製造するAIアクセラレータを搭載したマイクロプロセッサである「RZ/V2MA」をメインのプロセッサとして実装しているデバイスだ。高い温度の発熱を伴わずに高速なAI処理が可能となっている。
さらに「AX11」は、PoEを使用してカメラに電力を供給し、映像を管理するソフトウェアであるVMSをプレインストールしているため、「AX11」の機能だけでAIと映像が連携するシステムの構築が可能だ。
また、複数のSIMカードを搭載し、フリーズしたカメラの自動復旧、瞬停対策などの高信頼性を実現する機能も持っている。これらの機能を低発熱量のAIチップと組み合わせることで、連続稼働における安定した動作が可能だ。
瞬停対策としては、大容量キャパシタを搭載することで、外部電源が遮断された後も数十秒間アプリケーションを継続して動作させることが可能だ。不安定な電源の場所でも停止時間の少ない運用を実現しているほか、外部電源遮断の際にはデバイス管理システムに対してアラームを送信することができる。
他にも、アムニモが提供する映像サービスである「統合ビデオ管理システム」が利用可能で、AIによって生成したアラート信号を「統合ビデオ管理システム」でハンドリングすることが可能だ。
なおアムニモは、「AX11」で動作するAIアプリケーションの開発を希望する企業に対して、AIパートナープログラムを提供しており、プログラムの会員に対して技術情報を提供するほか、開発用サンプル機の貸し出しも行っている。
AIロジックの開発者は、ONNX形式で作成されたAIロジックに対して、AIパートナープログラムで提供されるコンバータにて「AX11」で動作することが可能な形式に変換することが可能だ。
また、AIロジック実行の制御や認識結果の処理を行なう部分のアプリケーションは、「AX11」のUbuntuOS上のアプリケーションとして実装される必要があるが、このアプリケーション開発のためのサポート情報の提供もAIパートナープログラムにて実施している。
さらに、AIアプリケーションが長期的に運用できるよう、クラウド経由でAIアプリケーションを更新する仕組みを「AIプラットフォーム」というクラウドサービスとして提供している。
「AIプラットフォーム」を利用することで、AIによる解析機能を継続的に追加・改善していくことが可能となり、「AX11」を用いて構築されたAIシステムを長期的に運用していくことが可能となる。
なお、「AX11」の出荷予定は2024年3月下旬で、3月12日から15日にかけて東京ビッグサイトで開催される「SECURITY SHOW 2024」にて同製品が展示される予定だ。
無料メルマガ会員に登録しませんか?
IoTに関する様々な情報を取材し、皆様にお届けいたします。